THE WOLFPACK

心を鷲掴みにされた。 そもそも彼らがなんで家に閉じ込められているかを考えると、恐ろしいんだけど、いろんなことが奪われてしまっている状態のポジティブな一面を見た。不幸を不幸として描写していないところも、とてもいい。見ていて概ね楽しいし、外の世界に出る怖さを打ち破っていくところなど、心が洗われた。惹きつけられた。 すごく人気があって、いつもはガラガラの映画館なのに、入場整理されるほどだった。 http://www.imdb.com/title/tt2415458/

DEEP WEB

この間「DIOR AND I」を見たときに予告編を見て、こういうの好きそうな人が我が家に一人いるな、ということで見てきた。まあワタシも好きだけど。シルクロードの創設者の逮捕はサンフランシスコのグレンパークの図書館だったという「身近さ」も手伝ってゾクゾクする。ナレーションがキアヌ・リーブスというのも驚いた。彼はビットコイン擁護派らしい(あれ?なんか同じことで前にも驚いたような気がしないでもない…)。 http://www.deepwebthemovie.com/ そもそもグーグルの検索は「リンク」がなければ、検索エンジンはその情報を探し得ないのだから、実はグーグルで検索可能なものはインターネット上にあるものの16%にしかすぎない、という記事を読んだばかりだった。 ま、それはさておき、このドキュメンタリー映画は、シルクロード創設者の逮捕や裁判や、それを巡っての報道、シルクロードというブラックマーケットというものを、一般メディアが絶対とらない(とりづらい)角度から見直している。米国憲法の修正第4条(不合理な逮捕、捜索、押収の禁止)を真面目に考えている。国家による不正アクセスについてもまた考えさせられる。 デジタルなものの捜索については、特にプライバシー保護の点から難しいことがいろいろあるし、「そもそも逮捕される状況に自分を持っていっていることが悪いんでしょ」と考えている人には納得いかないかもしれないけど、この映画が描いていることが「正しい意見」なのかどうかの判断はおいといて、これもひとつの考えであるということで。

DIOR AND I

友達に勧められ見てきた。 「ディオールと私」 http://www.diorandimovie.com/ 理知的なラフ・シモンズよりも、ディオールという巨大なメゾンよりも、アトリエで余分なビーズを徹夜して取ったりしているお針子さんたちに涙した!何かをイチから作るって「やり直し作業」がいっぱい!溢れ落ちるようにいろいろなものがスラスラと作れるわけじゃない! ラフ・シモンズがショーの直前に極度の緊張で泣いてしまうところも泣いたけど。 アナ・ウィンターもチラリと出てきた。あたり前か。 ステキなドキュメンタリーだった。

The Tudors

今更だけどThe Tudorsをようやく全話見た。もともと歴史モノは好きなうえ、ジョナサン・リース・マイヤーズが主役のヘンリー8世ということで見始めた。カナダCBCとアイルランドとUKの合作で、私がカナダに来た頃はまだシリーズは続いていたのでバス停などでよくポスターを見かけた記憶がある。 イギリス王朝の話は英語が難しいし、何度もテレビ化や映画化されているから、いくらジョナサンが出ていても、そのうち見るのが面倒臭くなるだろうと予想していたら、意外なことが私の心を掴んだ。 ヘンリー8世がなかなか王子に恵まれないというお世継ぎ問題を軸に、お后と妾はとっかえひっかえで、その絶倫ぶりが描かれているし(過激な床描写がとても多い)、宗教や政治問題、そして宮廷内の複雑な人間模様が絡み、背信行為やその疑念が絶えないので、拷問や処刑シーンも多い。国王が気に入らなければ、国王に首を縦に振ってもらえさえすれば、何でもアリ。男女平等も人権もない時代の話だから。それが見ていて溜飲が下がるというかイライラが解消された。私の心の闇を刺激したドラマシリーズだった。 ヘンリー8世の青年期から壮年期を経て枯れてしまうまでの女性遍歴も面白かった。「家族に押し付けられた結婚」から始まり、情熱に身をまかせ恋に落ち、リバウンドが少しあったかと思うと、若さを失い始めた頃に「火遊び」をし、そして最後は才気を備えた高貴な麗人へと落ち着く。「世継ぎがいない(王子が欲しい)」、「それを叶えてくれる后が欲しい」という王様の欲望は、諸刃の剣となり、お后を次々と苦境や死に追いやり、チューダー朝の存亡に関わる一大事となり、自信に満ち溢れた王を悩ませる。 同じ宮廷物語でも光源氏の最期は瑞雲に包まれて極楽浄土に向かうかんじだけど、ヘンリー8世の場合は、歴代のお后の亡霊が次々と現れ恨み言をのべ、白馬に乗った死神とともに、若く勇ましい姿の王様が五色に輝く光の中に向かっていくところがいかにも西洋的だった。 2007年から2010年までのテレビシリーズだったので、今頃こんなものを見て話し合える相手もおらず、カナダ人の友人に「ザ・チューダーズにはまってる」と言ってみても、「Game of Thrones」を見ている彼女からは、「ふうん。あったよね、そういうドラマ」という薄い反応しか返ってこないのが残念。いつもものすごく遅れてドラマ見ているから仕方がない。

Maleficient

アンジェリーナ・ジョリーが嫌いなくせに見てしまった。 http://www.imdb.com/title/tt1587310/ ま、アンジェリーナのことはさておき、眠りの森の姫を基本にした「荒唐無稽」なストーリー。話に付き合えば付き合うほど「?」が頭の中を埋め尽くすのをビジュアルでチャラにするかんじ。白馬に乗った王子様(だったはず)が種馬をあてがうがごとく扱われているのを見たり、欲望の大海を航海する王様がそのツケをあんな形で払わされているのもナンだかね。世の中の男子は怒りの拳をあげてもいいと思うよ。まあ、悪を体現していたはずのマレフィセントがああなってしまうと、童話というものがそもそも何だったわけ?と疑問視したくなるのが私。それに私はまだEnchantedの余韻を味わっているので(同じように眠りの森の姫風な話だけど、こっちのほうが断然面白い)、ナンナノ?と… キャンディ・キャンディでイライザがいい子になってしまったら、話の落としどころがなくなってしまうのと同じぐらいの居心地の悪さだった。 でも一緒に見に行った友達は「そういうところが面白かった」という意見だった。 後でRotten Tomatoesでレビュー見たら、結構悪かった。やっぱりストーリーに違和感を感じる批評家が多い様子。

CHEF

「父ちゃん、かっこいい!」と我が子から尊敬され、男がカッコよく輝く話。こういう話好きだなぁ。ジョン・ファブローがかっこよく見えた。 http://www.imdb.com/title/tt2883512/ 人生仕切り直しとなると、必ずオンボロ車に乗ってカリフォルニアに向かうアメリカ映画は絶えないけど、あのフロリダからルイジアナ、テキサス経由でカリフォルニアに行くハイウェイを、私も自分で何度か運転してみて、「生まれ変わるぞ!」とつい思ってしまったクチなので、気持ちを重ねて見てしまう。そろそろまた近いうちにドライブしたい。 ソーシャル・メディアをうまく使いこなせてない父親の言動・所作と、そのヘンのことについての彼の知識の欠如に、周囲があたたかなのもなんかよかった。 最近、遠視用の眼鏡を買った私は、いつも見ているVIPのスクリーン表面がすごく汚いことに気づいた。

Transcendence

なんかつまらなかった。ジョニー・デップは好きだったけど、もうなんかお腹いっぱいになった気がする。まず、ジョニーは「ファンタジーの世界の気狂い博士」なら似合うけど、「現実の世界の本物の博士」にはそぐわない。本当は馬鹿なのにたまにすごい言動で世間を驚かす天才は似合うけど、本当に頭がよくて研究を生業にするような人を彼に演じさせるには違和感がある。ジョニーがこの博士を演じることが「自己超越」だよな... と虚しく感じた。 ローレンス・バークレー国立研究所がもっともらしく出てきたけど、そのあとのバトルが陳腐すぎた。ま、でもバークレーやサンフランシスコの景色が美しくて懐かしさがこみあげた。 唯一よかったのは、クリフトン・コリンズ・ジュニアが出ていたことかな。今回もいい脇の固め方だった。 http://www.imdb.com/title/tt2209764/

The Grand Budapest Hotel

ストーリーもビジュアルも大変に面白うございました。ウィリアム・デフォーが特に面白かった。私はこういう話が大好きです。 この間日本帰国中に友達と「ジオラマ撮影」で盛り上がったのですが、映画が全体的にジオラマ撮影のようでした。ラジオのインタビューでウエス・アンダーソンが「ミニチュア好きだ」と言っていましたしね。シカゴの Museum of Science+Industry にミニチュアコレクションがあるのだとか。行ってみたい。 http://www.imdb.com/title/tt2278388/

ENEMY

何度も書いたり話したりしているがジェイク・ギレンホールが結構好きでして。下から見上げるように彼の顔を撮ったところが好きでして。 この映画の予告編を見て「うーん…なんだかありがちな映画なのかも」と思い込んでしまい、重い足を運んで映画館に出掛けたところ、単なる思い込みに過ぎないことが発覚し、大満足して帰ってきた。「何処見てもジェイクだらけ」というだけでなく、トロントの町並みの大して美しくもない部分が美しく撮影されていて、映画の最後で「ギャハー!」と私は声をあげて笑ってしまった。 そして最後のクレジットの部分が、昔なつかしの70年代のテレビ番組みたいで「いいなぁ」とうっとり見惚れることができたのもよかった。 しかし映画がお気に召さずに途中退出したお客さんも数人いたので、万人には受けない作品であることは間違いない。 映画鑑賞後は、コレについて語らずにはいられない!というわけでスマホで情報検索しつつ、教授と語り合った。「○○は何を象徴しているのだろう?」と象徴探しにお出かけになる彼に、「私だったらどっちのジェイクが欲しいだろう?」と淫らな想いに耽った。 http://www.imdb.com/title/tt2316411/

Dallas Buyers Club

マシュー・マコノヒーの激痩せに驚愕したけど、ジェニファー・ガーナーがはまり役だったのにも安心した。この映画の唯一の「憩い」が彼女だったかもな。実話に基づいた話だからどの程度違うのだろう、とウィキで調べたら彼女の演じる人物は架空だった。ジャレッド・レトの役も。なぁんだ。 http://www.imdb.com/title/tt0790636/ それにしてもくわえタバコにテキサス訛りの英語は聞き取れない。カーボーイ風のおっさんたちが喋っているところは大局的に筋が掴める程度だった。そして80年代の話だから携帯電話がデカかった。 携帯電話といえば、House of Cardsのシーズン2を見ていたとき、フランク・アンダーウッドの腹心が個人的な問題を断ち切るため携帯電話を真っ二つに折る荒業に出て、新品をアシスタントに注文したのだけど、それがブラックベリーだった。ホワイトハウスやペンタゴンでブラックベリーがずっと使われているのは知っていたけど、それはもはや過去の話だろうと思っていた。結局はドラマの中での話だし、ブラックベリーがスポンサーなのかもな、と思っていたら、しばらく前のニュースでホワイトハウスが別の携帯を検討中で、サムスンかアップルかということらしい。つまり今もまだブラックベリーが使われていて事実に忠実なシーンなのだった。