ロンドンは秋めいてきている。しかし9月は記録的に乾燥し温暖であったらしい。なんとラッキーな。雨女ではないのかも。 ロンドンで私にはニット仲間、教授にはジョギング仲間ができた。しかし、インドアとアウトドアという決定的な違いがあるけど、そこに集まってくる人たちの種類がものすごく違う。なんなのだろう、この差は。集合場所の地域差というのもあるかも。ジョギングのほうはチェルシーという富裕層の多い地区が集合場所で、ニットのほうはグラフィティがいっぱいの鉄道のそば。ロンドンの富裕層と付き合うチャンスは私には訪れない。 それに加え、私は仕事をあちこちの公立図書館でやることが多く、まあ公立図書館にインターネットを求めてくる人々といえば、普通の人が大半だけど、なんか狂っているよね… という人もいる。仕事しつつ人間観察に忙しい。 +++++ 英語もままならない上にどこか頭がおかしくなっているアジア系のおばさんが、コンピューターがうまく使えなくてイライラし、図書館員を呼びつけては一生懸命説明している。単語すら聞き分けるのが大変なおばさんの横に座って、白人の図書館員が「何がしたいのか説明して」とか「それは自分で決めることよ」とか「ごめんなさい、ちょっと何がしたいのかわからないわ」などと根気よく相手をしてあげている。なのに、アジア系のおばさんはイライラが頂点に達して、コインのようなものを机に叩きつける。図書館員って大変ね。 +++++ 暖かい日が続くので、図書館の窓が開け放たれている。爽やかな風が通るのかと思いきや、オシッコ臭い。窓からニオってくるのか、それとも窓際のあの男が放つ臭いなのか。そんなに汚そうには見えないんだけど、ここは図書館の二階だからな。 +++++ どことなく怪しい、どことなく狂気が感じられる白人のおばさんの携帯がピーピー鳴る。そして、これまたどことなく狂気の漂う有色人種のおっさんが、彼女の携帯が鳴るたびに文句を言いに行く。おばさんは消音の設定方法を知らないのだろう(と勝手に想像)。午後八時、またピーピー鳴った。おっさんが走っていく。 「これが最後だからな!これが最後の通告だからな!」 と激しく責め立てる。最後を見届けることなく私は帰途に着いた。 公共施設を共有するって、割と我慢強い人が世の中の半数を占めているから可能なのかも、と最近思う。 煌びやかなチェルシー橋
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ロンドン日記 その11
近くにロンドンで一番古いと言われる「Electric Cinema」という映画館があるので行ってみた。見たい映画がここで上映されていたので。見たのはデイビッド・クローネンバーグの「Maps to the Stars」映画についてはまた後で。 この映画館は紆余曲折あり閉館や改装を経て今の状態らしい。サンフランシスコで言えばカストロ劇場みたいな感じ。中は超豪華。全席VIP仕立てで、座席は革ソファーにオットマン付き。オットマンの中にはカシミアの膝掛けが!バーがあるのでお酒を飲みながら映画鑑賞も可能。銀幕前の一番首が痛くなる席はベッド席で寝転べる。そこはもちろんカップルが占拠。古い映画館なのでスクリーンが小さいかもと思っていたら、そこは最新技術が。映画が始まるときに、カーテンが開き、スクリーンがウィーンと前に出てきて広がる。 ベッド席 オットマン付き 飛び出す銀幕 普通のVIPシアターよりも値段は高いかもしれないが(一人18ポンドで、ベッド席は少し安い)、「すっごーい!」とはしゃげる。どこのVIPシアターもほかの映画の予告編は見せるけど、コマーシャルは一切ない。ここも同じ。まあ、映画は家で見る人々にとっては、なぜ大枚はたいて劇場に行くのか理解しがたいことだけど、劇場好きにはたまらない場所ですよ。 実は、切り裂きジャックとは別の、ノッティングヒルで1940年から50年代に起きた連続殺人事件の犯人が、この映画館の映写技師だったと言われている。この事件は「10 Rillington Place」という映画になっている。この通りの名前は変えられて、建物もなくなっているのだけど。怖いな、ロンドン!幽霊とかあちこちに出てきそう!(亡霊好きなのに一度も亡霊を見たことがない友人の顔が過ぎった) 見た映画も幽霊が出てくる話だった。デイビッド・クローネンバーグ監督ということで、変な不思議な話なんだろうなと思いつつ、案の定評価も低くて、それでも私は結構好きな監督で、好きそうな話だったので見に行った。いやぁ、やっぱり話がアレでしたが、「意味わかった?」「どういうこと?」などなどと鑑賞後の話は尽きない。私も教授も楽しんだ。出演俳優みんな好きだけど、これ見て、ロバート・パティンソンが好きになったな。 http://www.imdb.com/title/tt2172584/ ところで、ロンドンは大都会なのに、夜が短い。午後9時頃の映画を見ると、その後開いている店がほとんどない!トロントのほうが夜は長い。
ロンドン日記 その10
「切り裂きジャック」の夜の散歩ツアーに参加。 こういうツアーはたくさんあるらしく集合場所のTower Hill駅には人だかりが… 私たちのツアーガイドは趣味で演劇でもやっているのか、マイクなしでも声のとおりがよく、とても演劇効果の高い話し方をするので、ワクワクする。126年前に起きた、未解決の連続殺人事件の現場を歩いて回るツアーだけど、第二次世界大戦中にイースト・ロンドンは激しい爆撃を受けたので残っている建物は少ない。微かに残っている景色から、一九世紀のロンドンはどんな様子だったか想像できるように、このお話し上手なおじさんが語る。淀川長治に案内されているのを想像してもらいたい。 しかしあまりのツアーの多さに地元住民が嫌がってツアー禁止の脅威に立たされているらしい。地元住民に報復されることもあるらしい。私たちがゾロゾロ歩いているときも「切り裂きジャック!やったのはお前たちだろう!」と遠巻きに叫んでいる男の人がいた。ただの酔っ払いか。確かに、自分の住んでいるところを「ここは娼婦の溜り場で…」とか「ここでズタズタに切り裂かれた死体が見つかって…」とか毎日聞かされたくはないかも。でも熟練ガイドさんはそういう地元民にも気を遣いながら案内している。 事件そのものについてはネットで調べれば詳しく知ることができるから、それよりもむしろ、「このビルは当時のものだ」とか「こういう細い小路は一九世紀にはあちこちにあった」とか、教えてもらわなければ通り過ぎてしまう風景に対して、案内を聞くことで興味が湧く。ロンドンに住んでいる人には優先順位の低いことなのかもしれないね。私だって15年もサンフランシスコに住んでいたのに、一度もアルカトラズの刑務所跡に行ったことないもん。 イースト・ロンドンはいつも「新参者」がやってくるところらしく、今はバングラデッシュの人なのだそうで。帰りはバングラデッシュ(インド?)のカレーを食べてきた。 ロンドンに三週間いるけど、まだまだ市内でも足を運んでいないところはたくさんあるな。
ロンドン日記 その9
ニット・ナイトのネタ色々 まだサンタクロースを信じている子供が200ポンドもするレゴセットをクリスマスに欲しい、とサンタに今からねだっているらしい。 家計を支える母は、それは小さな子供には高価すぎる、キツイ、ということで子供にものの価値を教えるときがきたかもしれないと思い、「おもちゃ屋に行ってほかのものも見てみよう」と提案。 「ママ、どうして店なの?クリスマス・プレゼントってエルフが作ってるんでしょう?」 可愛い。まだ純粋。まだ幼い。お母さんはeBayで頑張って同じものを半額で手に入れた。 +++++ ニット・ナイトにアメリカ人が一人いたので、「UKのスイーツってアメリカほど甘くないよね」と話しかけてみた。アメリカだったら「歯が痛くなるぐらいに甘そう」に見えるスイーツが、食べてみると全然甘くない。アメリカ人は「そうそう!」と乗ってきた。そこから二人でアメリカやカナダに比べるとロンドンの牛乳や野菜、果物がとても安いという話で盛りあがった。ほかの物価はものすごく高いのに不思議だ。 そこでアメリカのポップカルチャー好きのイギリス人が、「アメリカのジャンクなチョコレート食べたいのに、7ポンドもする!」と話に入ってきた。そう、なぜか北米では貧乏人の味方であるクラフト社のマック・アンド・チーズが北米では1ドルぐらいなのに、こっちでは4ドルぐらいする。あんなマズイものに4ドルも出すなんて!と思っていたのに、なぜか食べたくなり、ロンドンに来てから一度食べてしまったけど。 結局、健康に悪そうなものは高い、という仕組みなのかも。それは国民皆保険制度につながっているよね。「食べたいものを食べたいだけ食べる国(アメリカ)→保険も自分で用意」 +++++ ニット・ナイトにマトリョーシカがプリントされたバッグを持ったアジア系の女の人がいた。もしかして日系かな?と思っていたら、向こうから「日本人なの?」と聞いてきたので、「あなたは?」と聞くと、「シベリア」だって。「私、マトリョーシカ集めてるんだ」というと、「マトリョーシカは私の国のものだから、このカバン持っているの」と話す彼女の「マトリョーシカ」の発音がロシア語だった。モンゴル種つながりなのか、「今度一緒にどこかで会いましょう」と誘われた。 +++++ ピンクと白のストライプでセーターを編んでいる子がいて、身頃の半分しか編めていないのに、「毛糸がなくなった!ここからライト・グレーで編もうかな、どう思う?」と聞かれて、返答に困った。ニット初心者ではなさそうなのに、この子はバカなのだろうか。
ロンドン日記 その8
ロンドン文学ネタ ロンドンの仮の住まいの近くに、ジョージ・オーウェルが住んでいたという家がある。だからというわけではないけど、電子書籍で『動物農場』を読んだ。昔読んだことがあるけど、今読むと「そうだ!そうだ!」とは思わない。盲目的に他人の意見に追従したり、極端な状態になってしまう前にできることはいろいろとあったのに何もしなかった、というのがこの話のミソだな、と今は思う。逆に、踏んだり蹴ったりの動物たちを反面教師にして学べるなとか。ああ私はのんびりとした平和を望む!! アパートからはパディントン駅にも歩いていける。パディントン駅といえばパディントン・ベア。頑張って銅像探して見つけたけど、可愛くなかった… 駅には専門ショップもあるけど、ぬいぐるみがどれもこれも可愛くない。新しく映画が出るので「映画版のパディントン・ベアのぬいぐるみ」というのもあった。ダッフルコートを脱がせたら、「プーさん」になってしまうというものもある。元々ぬいぐるみがモデルになっている熊のキャラクターをまたぬいぐるみに戻そうというのに無理があるのか。いっそのこと自分で作ってしまおうか。ブーツも旅行鞄も全部揃えて。ひとつだけ、駅限定版らしい、モヘアで作られたぬいぐるみがあったけど、150ポンド! 話の中でパディントン・ベアが住んでいたといわれる地区にも歩いていける。行ってみたが別に何があるというわけではなかった。何か見逃したかもしれない。 話はズレるけどスコットランド独立騒ぎで、もし独立したらユニオンジャックのデザインを変えなきゃならないことが気掛かりだった。あの「X」になっている部分と青色がスコットランドだから。今となっては取り越し苦労だったけど、ある意味、新しい旗が見たかった気もする。 同じことを考えていた人たちはたくさんいたらしく、こんな記事があった。 http://stream.aljazeera.com/story/201409181959-0024161
ロンドン日記 その7
なるべく週末はロンドン近郊の町も探索しようということで、先々週はブライトン、先週はオックスフォード、その次はバースを訪問。私たちの住んでいるところは交通の便がとてもよい。 まずはブライトン。 ロンドンのビクトリア駅から電車で一時間ちょっと。駅で切符を買ったが、同日に帰ってくるなら片道と往復切符の値段がほぼ一緒なのはなぜだろう。マークス・アンド・スペンサーでサンドイッチやポテチを買い込んで電車に乗り込む。M&Sのポテチの栄養価一覧を見ていたらものすごくヘルシーなのに驚く。電車はガタガタ揺れる。 ブライトン駅からビーチまでの間にこじゃれたレストランやギャラリーが並ぶ通りがある。そこを歩き出すと誘惑が多くなかなかビーチに辿り着けない。じっくり見ればいろいろ面白いものに出会えたかもしれない。もっと時間があったらよかったのに。 ビーチは小石のジャリ浜で、桟橋にはレトロな遊園地。スマホの電池はナビゲーション用に温存しておきたいと思って、デジカメで写真を撮っていたらカメラをブライトンに置き忘れてしまった。だから写真がない。ブライトンの桟橋は本来、東西両方にあったらしい。西のほうは嵐や火災で崩れてしまって廃墟になっているけど、これを再建するのだとか。今ある東の桟橋は庶民的。西のほうは既にこじゃれたレストランなどがあって、もう少し高級感のある桟橋になるのかも。 「おいしいフィッシュ・アンド・チップスを食べよう」とスマホを頼りにレストランを探す。見つけた店は専門店とあって魚の種類が多い。メニューにタラコ・アンド・チップス発見!タラコをパテのようにしてから油で揚げるというのがなんか不気味。塩漬けされてないので塩辛くはない。タラコがもったいないような気がしてならない。しかし、フィッシュ・アンド・チップスというのはおいしい店で食べると、よい油で揚げてあるし衣が薄くてサクっとして、中の魚がジューシー。ポテトも種類が違うのかおいしい。でも全部食べるのは無理。 日を改め、オックスフォード。 アパートの前のバス停からオックスフォードとロンドンを行き来する「チューブ」バスが出ている。往復18ポンド程度。これも二階建てのバス。バスの中でオーストラリアから「先祖ビザ」なるものでUKに二年滞在している女の子に遭遇。この話は長くなるから別に書き残そう。 オックスフォードにあるオックスフォード大学の歴史的なキャンパスを見ているだけで一日が終わる。あちこちにハイソな空気が漂っている。有名人を多数輩出しているので「このカレッジはトニー・ブレアの行ったところ、ここは徳仁皇太子、あそこは雅子サマ。ビル・クリントンはここかな?」などとスマホのアプリでチェックしながら歩いているうちに面倒臭くなった。 『不思議の国のアリス』もオックスフォードにあるクライスト チャーチという教会で生まれた。作者のルイス・キャロルはオックスフォード大学で数学を学んだので。この教会で年に一度「アリスのお茶会」があるらしいが、大変な人気なようで、私もチケットを購入して是非行ってみようと思ったら売切れていた。出発するのが遅すぎて教会には入れなかった。またもう一度行ってみよう。http://www.chch.ox.ac.uk/visiting/alice クライスト チャーチ オックスフォードのカレッジごとのマフラーやカフリンク そして、バース。 パディントン駅から電車で一時間半。バースの駅を降りると、何やらデータ接続が悪く、アップルストアを見つけて店の前でアップルストアのWiFiを使う。スマホに頼りっぱなしで地図を持っていないとこういうことになってしまう。 有名なローマ遺跡「お風呂」を見に行く。ここはとても面白い。私たちは三時間いた。でも混んでいなければあと一時間ぐらいは過ごせた。遺跡の破片を3D画像でつなげて想像力を掻き立ててくれる。随分昔の話だけど「ローマ人の物語」を読んだので、やっぱりローマ遺跡を見ると面白いなと思う。英語の音声ガイドを使うと、普通のイギリス人のおばさんの案内もあるけど、アメリカ人の考古学者らしき人の「若い国から来た人の驚き」の案内もあって、それが小難しくなくってすばらしい。ウンチク好きな人には「あっそ…」ですが、「ここから見るとすごく景色が面白いよ!」とかアメリカ人っぽく明るい案内。 バースはジェーン・オースティンが住んでいた町でもあり、この日はジェーン・オースティン・フェスの最終日。私はとても行きたかったのだけど、教授が… やっぱりあの小説は少女マンガ的要素がてんこ盛りなので現代の男にはキツイ話なのかも。このフェスは、小説が書かれた時代の格好をして練り歩いたり、19世紀の髪型にしてくれたりするらしい。町の中にフェス帰りの人たちが、ダーシーやエリザベスの格好をして歩いていた。
ロンドン日記 その6
やっと平日昼間のロンドンを徘徊できる!と喜んだ私は、とりあえずリバティ(デパート)に行き、ほぼまっしぐらにリバティプリントの布コーナーに向かった。なぜかこのコーナーにやってくる客は店内のほかの客と様子が違う。手芸好きが圧倒的に多そう。布を眺める視線が一般の人じゃない。そして日本人が多い。本物はお高うございましたよ。「ワンピでも作ろう!」と意気込んでいたのが「小物でもいいかな」なんて思ってしまうぐらいに高かった。それに高級なコットンなので超薄地。作りたいものをよく考えてからまた行ってみよう。三カ月滞在者の余裕。結局買わないかもしれないが。 週末ごとに遠出をしていて、ブライトン、オックスフォード、バースに行ったのに、そのことについて書き残したいのに、それはまた後で。 先週も同じ店のニット・ナイトに行った。私は結構方向感覚はいいほうなので、スマホなしでブラブラと適当に歩いて行ったら、線路の下を潜り抜ける長いトンネルを見つけて、その中に入ってみた(薄暗くなっていたので少々躊躇ったけど)。そのトンネルの中はグラフィティでいっぱいでとても美しかった。なんだろう、コレ?と思って後で調べてみたら、バンクシー・トンネルとも呼ばれていて、彼が2008年に企画したグラフィティアートらしい。でもいろいろ上に重ねていろんなグラフィティが描いてあるからもう何がなんだかよくわからない感じだったけど。別にバンクシーのアートが残っているようには見えなかったのだけど。今度もっと明るい時間に行ってよく見てこよう。 http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/london/7377622.stm ニットナイトではまたしてもイギリス英語に驚いた。「何編んでるの?」と聞かれたので「Hooded sweater」と答えると、「ふうん、jumperか」と言われた。セーターでも通じるけど「ジャンパー」。後でUKブランドの洋服屋さんのサイトなどをチェックしてみると、やはりセーターは「JUMPER」だった。 先日幅広なパンツを探していた私は、いろんな洋服屋さんに行って「wide pants」と言うと「wide trousersはねぇ、今あなたのサイズはないわね」と言われた。これも別に通じるけど、イギリス英語なんだね。アメリカ英語では普通のカジュアルなパンツを「トラウザー」とは言わないもん。カナダ人の教授に聞いてみたら、「子供の頃は、ジャンパーとかトラウザーと言っていた」と言う。やはりカナダ英語は中間的な存在なのだろうか。 この間、Camden地区のマーケットを物色しに行ったら、エイミー・ワインハウスの実物大銅像が建てられた日だったらしく、ファンが花を捧げていた。彼女はカムデン地区出身らしい。なんかロンドンっぽい。 http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-29190616
ロンドン日記 その5
締め切りに間に合った!ハイ、これでもっとロンドンが楽しめる。 アパートのネット環境がよくないのでとある大学のキャンパスの片隅でよく仕事をしている。理数系専門の大学なのでアジア系を筆頭に有色人種が多い。ロンドンのど真ん中にあるからなのか、高級ブランドを身に纏った中華系と思わしきアジア人が多い!ただキャンパスを突っ切っているだけなのか?(私もここの学生じゃないわけだし) この大学に客員教授として北米からやってくる人たちには「キャンパス付近の交通事故が多発する交差点」に注意を喚起するメールが送られるらしい。北米とイギリスでは道路を走る車が右通行と左通行で逆だから。日本から来る人には問題ないけど、北米の人はよく交通事故に遭うらしい。しかもこの大学の前の道路はどこからどこまでが歩道でどこからが車道なのかがまったくわからない。しかも、車にも自転車にも歩行者優先という概念があまりない。自分の命は自分で守らなければ。 そんなわけで道を渡るときは、右も左も二回ずつ見て渡るのだけど、交通量が多いので、そんなに何回もチェックしていると、道を渡るタイミングを逃してしまう。それなりに車が流れている交差点なら、流れに任せられるけど、少し車どおりの少ない交差点が一番危ない。 スコットランドの独立の是非を問う住民投票の英語の記事は「Yes」派、「No」派というふうに書いてあるから、「独立したいですか?」と聞かれているのだったけ?「イングランドと一緒にいたいですか?」と聞かれているのだっけ?とふと考えてしまうことが… そう思うと、どういうふうに聞かれるかによって、微妙に気持ちが揺らぐ人もいるんじゃないか、などと思ってしまう。誰かが独立は離婚に似てると言っていた。イングランドと一緒であるからこそ得していることもあれば、「借金」もあるわけで、どっちも含めての「お別れ」だから面倒臭い。結果は明日の朝わかるね。
ロンドン日記 その4
今週はスコットランド独立を問う住民投票が木曜日にある。独立したら本社をスコットランドから撤退させるとか、物価が上がるとか「脅し」をかけているように見える企業もけっこうある。とりあえず現地(といってもロンドンからだけど)で様子がうかがえるのが楽しみ。95年にケベック州がカナダからの独立を問う住民投票をしたときはアメリカにいたけど、どうしてそんなに独立したいのか私にはピンとこなかった。今はカリフォルニア州も六分割させたいという富裕層がいるし、「線の引きなおし」は最近の流行なのかな。そういえば昔、三重県でも経済圏が大阪に入る地域で電話番号の市外局番を、名古屋の05から始めるのではなくて、大阪の06から始めたいという運動があった記憶がある。 当たり前だけど、北米の英語しか知らない私はイギリス英語に驚いている。アメリカ英語とカナダ英語も多少違うのだけど、ある意味、カナダをクッションにしておいてよかったかもしれない。言葉だけじゃなくて物価の高さも。アメリカから直接来ていたらもっとショックは大きかったと思う。それでもロンドンの町中の店に「99P」と書いてあるのを見て「99ペソ」と言ってしまった。ほら、メキシコに近いカリフォルニア生活が長かったからさ、習慣でつい口走った。ペソじゃなくてペンスです。 ドルを口語でバックというように、ポンドを口語でクイッドという。 貸し部屋の看板は For rent じゃなくて To let 犬の綱は leash じゃなくて lead フライドポテトが Fries じゃなくて Chips でポテチが Chips じゃなくて Crisps ロンドンのパブは午後11時に閉店するところが多く、ドリンクのラストオーダーの時間になると、「カーン」とゴングを鳴らすところが多い。「カーン」が聞こえるとバーに行って、最後の一杯を注文する。恐ろしい。 この間、ケンジントン宮殿の前を通りかかったら、ユニオンジャックの旗がついたヘリコプターが飛び立つところだった。人だかりができていたので「ナニナニ?誰か有名な人?」と聞くと、「誰かはわからないけど、ロイヤル・ファミリーの中の誰かがじゃないかな?」という。急にテンションがあがり、ヘリコプターが飛び去るまで見てしまった。宮殿横の緑の芝生はヘリポートだったのね。ヘリの姿が見えなくなると、みんな散ってしまったけど、「別にロイヤル・ファミリーに興味ないんだけどさぁ」とか言いながら散っていく人が多くて面白かった。
ロンドン日記 その3
三カ月もいるんだから、ロンドンのニット・コミュニティも覗いてみようということで、ニット・ナイトに行ってみた。ネットはこういうとき便利。knitting meetupなどと検索すればゾロゾロと出てくる。こんなこともあろうかと、スーツケースの中に毛糸を入れてきてよかった。イギリスの毛糸も買ってみたいけど。 テムズ川の南岸、ウォータルー駅のすぐ近く、ほどよく小汚いけど可愛らしい通りにある。水木と週二日集まれるのもグッド。毛糸屋の奥の壁がバーになっているので酒が飲める。コーヒーやジュースもあるけど。置いてある毛糸は…まあ別に…かな。 しかしメンツがすごい。男が4、5人いる。若い子もおじいさんもいる。一番若いジュード・ロウくずしの男前がニットの腕前もいいらしい。編み方でわからないところがあると主張するオバサンの背後に回り、二人羽織の要領で編み物を教えていた!私も次回あの手を使って、教えてもらいたい。 おじいさんは上半身は哲学者の風采だったが、ふとした拍子に立ち上がったときの下半身が志茂田景樹ふうだったので驚いた。男性陣に加え、黒人が数人、インド・パキスタン系の人が二人、白人が数人、アジア系は私だけという、人種的にも年齢的にもかなりいろんな人が入り混じっていて、編んでいる毛糸も激安のものから野呂っぽい高級なものまでいろいろだった。どこで買った毛糸で編み物してもオッケー、商品の雑誌を立ち読みしまくってもかまわないというゆるさが気に入った。 私の隣でかぎ針でブランケットを編んでいた黒人のオバサンは、まずブランケットの外縁をベルト状に編んでしまってからブランケットの大きさを決め、そのベルトを編みつなげながら、中を編むという目からウロコな編み方をしていた。彼女はソーシャル・ワーカーらしく、あちこちの病院の心療科がやっている編み物クラブにも行っているらしい。毛糸も大穴狙いで中古品のものが売っている店をチェックするか、あとはネット。みんな毛糸の購入には知恵を絞っているのね。ロンドン物価高いし。 なぜか私のアメリカ式メリヤス編みが話題になり、やっぱりイギリスの人はフランス式が多いのだなと知った。あと、誰かが60年代発行のニット雑誌を持ってきていて、その値段が「シリング」だった。イギリスでは1971年にシリングは廃止になったらしく、高齢者たちの間では「昔はポンドとシリングの換算が出来たのに忘れたわ!」と話題になっていた。
