転倒事件から3カ月。今は普通の杖をついている。なくても短い距離なら歩けるけど。理学療法士に「ひょこひょこ歩きをすると、脳がその歩き方を覚えてしまうから、ちゃんとした歩行に戻るまで杖をついてね」と言われた。
この間、歩行訓練中に、「はい、右見て!」と突然言われ、右を見ようとするとよろめいた。「左見て!」と言われてもよろめく。要は、私の脳は歩くのに必死で、マルチタスクができないらしい。既にリハビリは4週目。あと3週間ある。多分、それで卒業できるはず。
救急病院では恐ろしい目にあったけど、長い間アメリカにいたせいで、つくづくカナダの医療費の「低さ」に驚かされてしまった。今回の医療費も自己負担額がゼロだった。入院代もリハビリ代もゼロ。杖などの介護グッズは後で保険会社から返金される。カナダは所得に応じて税金として医療にお金を払っているので「無料」ではないのだけど(確定申告書に自分が OHIP に払っている金額が出ている)。病院帰りにウーバーの運転手とこの話をしていたら、「アメリカと比べて喜んでいてはダメだ! もっとカナダが見習うべき国はほかにある!」とたしなめられ、運転手はドイツを褒めていた。私はドイツに住んだことがないのでわからないけど。
この間も、アメリカの糖尿病患者たちがキャラバンを組んで、カナダに渡り、アメリカでは400ドルする薬がカナダでは30ドルで買えると、涙ぐんで爆買いしているニュースを見てしまった。
話は変わり、6月末にヒュー・ジャックマンのショーを見に行った。彼のことを「ヒュー様」と崇める友人から、ショー前日に「松葉杖でヒュー様の気を引くように」と指示が届いた。ナイスガイで知られる彼のことだし、さもありなん、と思い、その気満々で会場に乗り込んだ。
なんと! ヒュー・ジャックマンは本当に杖に反応したのだった。でも、私のではない。私のと同じような杖をスワロフスキークリスタル風のピカピカステッカーでデコったおばさんがいて、ヒュー・ジャックマンは、そのおばさんをぎゅっと抱きしめて踊り、彼女の名前を10回くらい連呼していた。惜しい!!


今週、ヒューなのでそれが終わったらきょうたんの鋭い洞察力を駆使したヒューレポを読みたい。
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でももう記憶が薄れてきた……
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