US OPEN 2018

USオープン女子決勝戦をちらっと見て、もらい泣きをするほど楽しんだ。日本の人はやっぱり大坂なおみの優勝を喜んでいる。それもよかったけど、どっちかというと、セリーナ・ウィリアムズが決勝で審判と繰り広げたドラマを楽しんだ。彼女はインタビューでいろんなことを訊かれても賢いことを言うし、嫌な質問をかわすのもストレートで好き。NFLのコリン・キャパニックのNikeのコマーシャルについてコメントを求められたときも上手に対応していた。

そもそもフレンチ・オープンでピッチピチのウェアを着ていたのに、USオープンではチュチュみたいなウェアを着ているのも面白かった。

私は、欲しいものがあるならグイグイとそれを勝ち取りに行く人たちに共感してしまう。ストレートで見ていて気持ちがいい。それに何より、決勝ではフラストレーション全開だったので本当に面白かった! だんだん審判へのしつこさが増していくにつれ、「なんかすごいことやらかしてくれそう!」と期待が高まった。みんなが見てる前で暴言を吐いて、みんなが見ている前でペナルティ! 気持ちがいい!

最後の表彰台ではちゃんとブーイングを制して大坂なおみを立てる姿も好感だったし、試合後の記者会見もよかった。「私は何度も勝っているから、姑息なマネをしてまで勝つ必要はない」とか、「自分の子どもに今回の試合の行いについて訊かれたら、なんて説明しますか?」と訊かれて、むっとしたように一瞬見えたのも面白かったし、最後に「私は女性のために戦ってきた。強い気持ちをもった女子が強い言葉を発しても罰せられないことを望む」と涙を堪えているのも好感が持てた。彼女のすることに同意するかどうかは別にして(というか彼女は別に他人からの承認を求めてはいない)、彼女はブレていない。

審判に向かって「泥棒!」の暴言は、日本の女性議員が「このハゲがー!!」とパワハラしているのを録音されているのとは次元が違う……

あともう1つ、全然話が違うけど……
大坂なおみが準決勝に進んだ時点で、「伊達公子以来!」と騒がれていた。1995年に私が渡米したとき、伊達公子は世界ランキング4位だった。その頃、海外からアメリカに留学する女子学生対象の奨学金を見つけ、なぜアメリカで勉強したいのかを書いて提出しろと言われた(研究者への奨学金とは全然レベルの違う、遊学する女子への奨学金なので)。世界ランキング4位の伊達公子を引き合いに出して「私も彼女みたいにがんばります」みたいなことを英語で書いてアメリカ人の友達に見せたら、「奨学金がほしいのはアンタなのに、伊達公子を褒め称えてどうすんの?」とダメ出しされた。そして奨学金はもらえなかった。今回のUSオープンで、そんな昔のバカ丸出しの自分を思い出した。

2 thoughts on “US OPEN 2018”

Leave a reply to ユキ Cancel reply