天使は奇跡を希う

ライトノベルを読んでみた。地方の高校生ライフはこんなもんだったな(学校と家との往復)、と懐かしかった。世の中が変わっているように見えて、別にそんなに変わってないんだな。ヒマを持て余し、自分のことばっかり考えている高校生が言いそうな表現が満載なのも、面白くもあり、オバサンは「おいおい!」と思った。

天使を絡めた純愛の設定はですね、私が大好きだったアメリカのドラマ「Drop Dead Diva」に重なる部分が多くて、それゆえに「Drop Dead Diva」のほうが断然いい!と思ったのでした。少女漫画風ドラマ、アメリカだと「チックフリック」と言われているドラマや映画だと、こういう一度死んで「天使」になって蘇るようなお話は、一方的な女性目線(妄想)で語られることに底知れぬ意義があるのです。故に男性キャラクターは一面的なのです。

でも、なんか、このお話は妙に中性的で(←今の高校生は中性的なのかもしれない)、スマートでピュアそうな話で、面白いとこもあるけど、手垢はついているかんじなところが、二次作品を狙っているかんじがするところが、いかにも今どき。トロントで夏から立て続けにライティングの授業取ってたけど、若い子は、すぐに映像化できそうな同じようなものを書いていたし、講師もそう言っていたので、トレンドなんだと思う。

なんかわざとらしい、と感じたのは風景と町の描写でした。基本、このお話は、地方であればどこでも成り立つのです。ライトノベルであっても、「そういう町ありそう」「これは私の町かもしれない」と思わせるものがあれば、もっと普遍性が高まったのに。

「Drop Dead Diva」の場合は「LA」が放つイメージを利用しつつ、撮影は全然LAじゃない。LAっぽいイメージを利用して視聴者に勝手にいろんなことを想像してもらう作りになっていた。

そこでなければならない、という内側から醸し出すものがなく、無理矢理「なんで?」とすら思わせる書きっぷりに私には思えた。ここまで具体的に風景が限定されていなければ、素直に受け止められたのですが、なんか「誰かに頼まれた?」と胡散臭く感じた。そもそも海に天使の設定に、天使と悪魔と神社の設定に、おばさんは説得力を感じなかったぞ! 神社なら天狗やろ! 

余談:一般読者向けではないけど、ブックレビューも私の仕事の1つなので、もしも口頭で尋ねられたとしたら、という設定で、それっぽく書いてみた。

3 thoughts on “天使は奇跡を希う”

  1. 最近、アキラにねだられて「Angry Angel」っつー天使もののくだらないTV ムービーを見たよ。良い行いをしてアプリでポイントを貯めないと成仏できない話。

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  2. ねえ、どっかでさ、$999のアプリの話聞いたんだけど。そんだけ払って何もしないアプリで、$999がポンと払える金持ち自慢アプリなんだって。

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