戦争&軍事モノ諸々

軍事関係の調べ物をしていたので、そのときに日米それぞれに軍事モノの本を読んだり、映画を見たり。嫌になるほど。アメリカのものだと、古くてG.I.ジェーン、ブラックホークダウン、もうちょっと新しくてハートロッカー、アメリカンスナイパーとか。

アメリカのものは、政府や軍の政治判断を批判するっていう目的もあるけど、実際に前線で戦っている人と、アメリカ本国で普通に暮らしている人との開きが大きいので、それを指摘するような内容が多い。「まだ戦争やってるんですよ、あなたたちが決めたことですよ」というところから「最近の戦争ってこんな感じです」というところまで。特に最近の戦争は特殊作戦の秘密めいたものが多いので。

アメリカンスナイパーに関しては、映画も見たけど、原作は故人本人が書いているし、オーディオブックで聞いてみたら、テキサス訛りでちゃんと読み上げてくれるから面白いし、内容も興味深い。まあそのお、なんでアメリカがイラクに侵攻したのかというそもそもの話はさておき、前線で原作者クリス・カイルが経験したことや、彼の考えが興味深いわけですが。あと、本国アメリカで待つ家族にどういう負担がかかるのかも、夫婦それぞれの立場で書かれているから、これからどこかに派遣される兵士には参考になる。

こういうのを読んで兵士を目指す人がいるし、実際軍事訓練中の推薦図書になることもあるので、ミリタリーゲームオタク以外のところでも、一定の読者がいる。

路線は少し違うけど、『Dressmaker of Khair Khana』という本がすごくよかった。軍事モノとは言えないけど、タリバンに制圧されたカブールで、縫製ビジネスを始めたティーンエージャーのアフガン人少女の実話。ノーベル平和賞をとったマララとは違って、命を狙われて銃撃されなかったからこその、でもやっぱり命がけの、コシノ家もびっくりのサクセスストーリー。戦時に針仕事でなんとか生き抜いた女の話は結構あるよね。手芸が趣味の人にはビビッとくる。これもオーディオで聞いた。

そういうの一気に触れた後に『永遠の0』を読んだら、古い話だし敗戦したってのもあるけど、かなりウェットだなぁと改めて思った。映画も見たけど。ただ、原作は巷で批判されているほど特攻隊を英雄視しているわけじゃなかったな。特攻作戦を批判していて、特攻隊員を英雄として描いている。ただ、作中唯一、かの戦争を激しく批判する新聞記者が異様に薄っぺらで、その彼と付き合っている「お姉さん」も読んでいて気になるほど雑な感じなので、女性読者としては、「お姉さん」のありえないほどの薄っぺらさも気になった。チラチラとネットの声を拾うと、この点も指摘している人が多い。

映画で岡田くんが演じた主人公(?)は理知的で良心的な人物で、その人物像をほかの登場人物に語らせているというのは、ある意味「たとえばこんな人がいたら(作者の理想)」という物語上の仕掛け。それはそれで面白いけど、最後のサプライズは、ニコラス・スパークスの小説(ベストオブミー)並みに、「ええっ!」とがっかりしてしまう私のような読者には、まったくの逆効果でした。

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