今更だけどThe Tudorsをようやく全話見た。もともと歴史モノは好きなうえ、ジョナサン・リース・マイヤーズが主役のヘンリー8世ということで見始めた。カナダCBCとアイルランドとUKの合作で、私がカナダに来た頃はまだシリーズは続いていたのでバス停などでよくポスターを見かけた記憶がある。
イギリス王朝の話は英語が難しいし、何度もテレビ化や映画化されているから、いくらジョナサンが出ていても、そのうち見るのが面倒臭くなるだろうと予想していたら、意外なことが私の心を掴んだ。
ヘンリー8世がなかなか王子に恵まれないというお世継ぎ問題を軸に、お后と妾はとっかえひっかえで、その絶倫ぶりが描かれているし(過激な床描写がとても多い)、宗教や政治問題、そして宮廷内の複雑な人間模様が絡み、背信行為やその疑念が絶えないので、拷問や処刑シーンも多い。国王が気に入らなければ、国王に首を縦に振ってもらえさえすれば、何でもアリ。男女平等も人権もない時代の話だから。それが見ていて溜飲が下がるというかイライラが解消された。私の心の闇を刺激したドラマシリーズだった。
ヘンリー8世の青年期から壮年期を経て枯れてしまうまでの女性遍歴も面白かった。「家族に押し付けられた結婚」から始まり、情熱に身をまかせ恋に落ち、リバウンドが少しあったかと思うと、若さを失い始めた頃に「火遊び」をし、そして最後は才気を備えた高貴な麗人へと落ち着く。「世継ぎがいない(王子が欲しい)」、「それを叶えてくれる后が欲しい」という王様の欲望は、諸刃の剣となり、お后を次々と苦境や死に追いやり、チューダー朝の存亡に関わる一大事となり、自信に満ち溢れた王を悩ませる。
同じ宮廷物語でも光源氏の最期は瑞雲に包まれて極楽浄土に向かうかんじだけど、ヘンリー8世の場合は、歴代のお后の亡霊が次々と現れ恨み言をのべ、白馬に乗った死神とともに、若く勇ましい姿の王様が五色に輝く光の中に向かっていくところがいかにも西洋的だった。
2007年から2010年までのテレビシリーズだったので、今頃こんなものを見て話し合える相手もおらず、カナダ人の友人に「ザ・チューダーズにはまってる
」と言ってみても、「Game of Thrones」を見ている彼女からは、「ふうん。あったよね、そういうドラマ」という薄い反応しか返ってこないのが残念。いつもものすごく遅れてドラマ見ているから仕方がない。


ああ、残念、私、めちゃくちゃはまってみてましたよ。
なにしろはまりすぎて、カナダにいたころには、CBC(フランス語放送の方)で放送されていたのまで、セリフはよくわからないけど、ひたすら、、ジョナサンをみるためだけにみてましたよ、、、、(^_^;)
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azu さん、
ええー!そのときに私も見ていれば… 私もフランス語もみちゃおうかしら。
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