前半3分の1は背景描写がつまらなかったけど、後半、ルリコとひばり、ルリコとアキラなどなど、会話だけになったあたりからちょっとだけ面白くなった。裕次郎危篤、美空ひばり入院など、ワイドショーネタも記憶に残っているし。暴露本ほどでもないけど「今だから話しちゃう!」みたいな話だと林真理子の筆が光りだすのだろうか。
途中、アフリカロケ中のルリコが暇をもてあまして、毛糸を買って細編みでマフラーを作ろうとして、「編んであげるべき人」と「実際に編んであげたい人」が違う… と自分の本心に今更ながらに気づいてしまうシーンがあった。編み物を始めた動機に「好きな人への贈り物を編もうとした」というのはよくある話。しかし、毛糸のコストと手間ヒマがかかるため、編んでいる間に恋が冷めるんだと思う。冷めた恋はニットじゃ温まらないしね。
「ナゼ、ワタシハ、コイツノタメニ、コンナコトヲ、シテイルノカ」
編み物にのめりこんでいる人々には冷ややかな人が多いしな。直情型というのは少ない気がする(やっぱりそんなことないか)
あ、ルリコの話なんだった。
結構自由にいろんなオトコと恋愛してきた人なのね。ふーん、大人な感じでいいわ。ルリコのおかげで裕次郎が光って見えて、石坂浩二がダメダメに見える話。やっぱりルリコが語る芸能界裏話のように読める。

