コンピューターの専門家三人とブレッチリー・パークに行ってきた。このメンバーで行けば、私だけが話についていけなくなることは火を見るより明らかなので、事前にウィキペディアを読み、和英の単語帳を作って準備していった。まるで仕事に行くような準備ぶり。面白かったけど、もう頭がいっぱいで最後は頭痛が…
博物館に入るなり、こんな戦時中のポスターが… 戦場で戦っているイギリス兵に靴下を編んであげよう、という呼びかけ。日本が千本針なら、イギリスはニット… そしてこの日、本当に兵士に靴下を編んだことがあるという車椅子のおばあさんに遭遇!
話は元に戻って…
ブレッチリー・パークというのは、第二次世界大戦中にドイツをはじめ枢軸国の暗号解読が極秘に行われていたところ。アラン・チューリングがドイツの暗号機エニグマの設定を見つけるための機械を開発して、暗号解読に成功したのが有名。その話は多くの本が書かれ映画にもなっている。一番最近では、ベネディクト・カンバーバッチがアラン・チューリング役の『The Imitation Game』かな。一般公開はこれからだけど、今年のトロント映画祭で好評だったとのこと。もう少し前に『Enigma』という映画もあったね。見てないけど。
ビスマルク号撃沈に貢献したり、ノルマンディー上陸場所の決め手となる情報を提供したり、イギリスを勝利に導いた暗号解読プロジェクトだったけれど、国家機密なだけに、戦後も長い間秘密にされてきたので知らない人も多い。私は何年か前にアメリカのラジオのクイズ番組で初めて知った。「暗号解読のきっかけになったのはどれでしょう?」「ドイツ語の卑猥な言葉が暗号の中に頻繁に使われていたから」とかそんなクイズだった。博物館のマルチメディアガイドによれば、無線通信を傍受していたイギリス側の人たちは、ドイツ側の「あんまり卑猥な言葉ばっかりしゃべってちゃまずいよ!」という会話も傍受していたとのこと。
ここでは日本語の暗号解読も行われていて、コードブレーカーたちは漢字カードを作りながら日本語を勉強しながら解読に励んでいた。地味な作業だ。
そしてドイツの暗号を解読するためだけに作られた、コロッサスというコンピューターも見てきた。私にはよくわからないが、オタクたちは興奮していたぞ!
イギリスが誇るものだからさぞかし立派な施設だろうと期待して行ったら、とても地味。質素な展示なのに、コンピューター愛好家のおじいさんたちのアナログな案内が熱く、熱意が伝わってきた。
しかし、すごいことが伝わってきても、私には古いハードドライブが洗濯機にしか見えなかった。





