クライマーズ・ハイ

日航123便の墜落事故は私の心に深く刻まれています。あの日夕方過ぎ名古屋からの電車に乗ると号外を持った人たちでいっぱいでした。電車内は不穏な空気に包まれていて、友達と何が起きたんだろうと号外を盗み見ていたのです。もしかするとあれは事故当日じゃなくて翌日だったのかも。その辺の記憶は曖昧。でも自分の将来を決めるのに悩んでいた夏に起きたことなので深く印象に残っています。

そんな体験からか内田幹樹の本で内田さんならではの日航事故や事故調査に対する意見を読み、どことなくいつも興味がそそられたので「クライマーズ・ハイ」を読むことに。映画はまだ観てない。

最初から最後まで主人公が好きになれず理解もできませんでした。新聞社の中が政局の争いや戦国時代の武将たちの国盗りゲームみたいなノリで描かれていて、その中で孤独に聖戦を挑まんばかりの新聞記者がいるのだけれど、何かあるごとに「辞職するつもり」でやるなどと「ハラキリのサムライ」はたまた「爆弾を腹にまきつけた少年」のごとく立ち振る舞うくせに、人情・涙などに絆されたり憶測に邪魔されて実行には移さない。「手間のかかる男だ!」とイライラが募る。プロの記者として勝負を掛けるスクープに対してもプロとしての命を張らず、私はガクンと椅子から転げ落ちそうになった。その落とし前をつける機会が巡ってきたかと思いきやそれは読者からの投稿欄で(しかも投稿欄は自分の管轄セクションじゃない)、「それは載せたらあかんやろ」というシロモノを自分の過去の清算をするために意を貫く。私は本を壁に投げつける。

その…「記者である前に生身の人間であるから」ということが言いたいのかもしれないけど、「そのキミの他人や会社を大きく巻き込んで、ボカスカ人を殴ったり、暴言吐いたりして、個人的な問題の処理をしようとする判断力を大きく疑問視したい!!」と私が社長ならクビにすると思う。しかし、新聞社に勤めている大人たちがどうして個人的なこと(親の悪口とかね)を持ち出して意地悪なことを言い合っているのだろうか。

話が全然違うから比べるのはアレだけど、「誰にも決して知られたくない過去を持つ男」という括りなら、Mad Men のドン・ドレイパーのほうが数段上を行くよな。この本の場合は「誰にも決して知られたくない過去」があるのために何をやっても裏目に出てしまう男という割にはヒーロー性が高過ぎる。

著者は元新聞記者なので「本当に新聞社の内情とは本当にこんなレベルなの?」と私が不安を感じたのも、最近読んだ「【213】女性社員のための「犠牲」はもう御免 -「母性保護」の陰で過酷な業務を強いられる社員たち」という日経BPの記事が影響してます。FB でこの件に関しては盛り上がらせてもらいましたが。

2 thoughts on “クライマーズ・ハイ”

  1. 日航123便の墜落事故。
    初の海外出張先、ロンドンで知りました。
    朝起きてホテルのロビーに出ると出会う人が皆『I am so sorry…』とか言ってくるんだよね。でも何のことやら???で、朝ごはんを食べながら新聞でもと、思い手にした新聞の1面全体に墜落現場の写真!
    おどろいたなー

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