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トロント国際映画祭に出品されたところ、タダ券もらって鑑賞。
いろんな面から痛い話ですが、よい映画でした。女性監督による女性のための映画というかんじ。だから女子はこれを見た後にいろいろ感想をかますびしく語りますが、男性の意見も聞いてみたいものです。
アレですよね、21世紀の女子の悩みは「オトコにのっかっているのはいけない気がする」と思ってしまうことや、自分のやりたいことと恋愛や結婚生活のバランスですよね。そして自分のやりたいことが「だんなさんを支えること」だということが100%手放しで自慢げに言えなかったり、別にこれと言ってやりたいことがあるわけでもないからな、ということをポジティブにはとらえられなくって自分を卑下してしまったり… ああ女子は複雑です。
昔の少女マンガの「憧れのカレ」に女子の憧憬&妄想を結集させた結果、「永遠の引き立て役」ができるわけですが、この映画のダンナさんキャラにも21世紀日本女子の憧憬&妄想がある程度結集させられているのではないかと思います。そのー、つまりー、「人間味溢れるやさしさ」を求めているということですわよね、金や地位よりも。
サツバツ… … …
今「新・源氏物語」を読んでいるのですが、古より女子の生き様というのは文学ネタとして一級ですね。光源氏が主人公とされているけど、源氏に関わる女の生き方を浮き彫りにするための手段じゃないかと今は思います。キャヤツは、地位財産、美貌、審美眼、才能すべてに秀でているだけでなく「大変な秘め事」を抱えているわけですから、どんな女子もすぐその魅力の虜になるわけですが、でもどんな女子にもいいとこあるネ!ポジティブな光を与えるのが源氏です。一般の男子にはできないことでございます。
「どれもこれもスバラシイ」と愛欲の渦に取り巻かれ、モテモテの源氏を称えるのが平安時代ならば、一人ひとりの女の個性を認めそれを「一生」(←ここ肝心。一番ありえないコトだから。)愛することができる源氏を評価するのが平成でしょう。
映画とはズレましたけどね。
映画に話を戻します。
いろんな女性が出てきましたが、木村多江が出てきた瞬間、「あ!話が不幸な展開を迎える!」と感じてしまう彼女の醸し出す「不幸臭」に脱帽しました。セリフ言ってないんですよ!だた出てきてニッコリと薄幸な笑みを浮かべただけですよ!スゴクないですか?あれは演技力ですか?ハリウッド女優にはできないワザですよ。評価されてしかるべきですよね。
あ、松たかこもよかったですよ。彼女きっと自分にすごく自信ありますよね。そんな気がしました。

ども!
助川幸逸郎氏の「光源氏になってはいけない」では、光源氏は 「女たらし、ロリコン、マザコン、回避依存症、自惚れ、官僚体質、リーダー失格、家庭崩壊、ネグレクト、美少女ゲーム廃人、アラフォー自分探し」のルーザー要素の見本市として分析されているようです。そこがまただめんずウォーカーキラーだったりして。平安の世は男子にも生き難いのかも。
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あ、間違えました!生き難いのは「平安」ではなく「平成」です。
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Sacchi さん、
助川幸逸郎氏の見解、気になります。読んでみたい。私が読んだのは「新・源氏物語」と「あさきゆめみし」だけで、元を読んだことないのだけど、源氏はルーザー要素はあるけど、ルーザーと自分のこと思ってないもんね。
ちなみに私が一番キライなキャラは「紫の上」かもしれない。「オレ色」に染まっているキャラだから。
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この日記おもしろかったわ。コメントも含めて。ふむふむ。
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