Twitter HQ 毎年恒例のツイッターランチに行った。本社ビルのセキュリティは厳しい。あのような、炎上を招きやすく、ある人がある日突然世間からいわれのないバッシングを受けることもあるツールを作っている会社なので、恨みを持っている人も多いのかもしれない。それに、本社ビル周辺には浮浪者が非常に多く、変な人がふらふら入ってこないようにしているのかもしれない。毎年ゲストリストに名前を入れてもらい、受付で写真入りIDを提示するように言われるのに、いつも運転免許証もパスポートも持ってこない。いつの年だったか「何も持ってないのでクレジットカードでもいいですか?」と言ったところ、「クレジットカードはIDのうちに入らない」と一蹴された。それでも、クレカを2枚見せて粘り勝ちしたことがある。今年もまたクレカで切り抜けようとしていたら、「あなたが本当にあなたである証はどこにもないし、私はあなたがあなたであることを知りえない」といかつい受付の黒人女性に睨まれた。「ごもっとも」としか言いようがない。優秀な受付さんだ。ちなみに、ツイッター本社周辺の浮浪者の多さと人糞の凄まじさはすごい。聞いてはいても、あの場所に行かなければ危機感を覚えない。マーク・ザッカーバーグの顔は毎日のようにニュースで見ていても、サンフランシスコの浮浪者の現状はトロントにいると見えにくい。何事も「現地に赴く」ことには大きな意義があるのだ。2011年(私がカナダに引っ越して1年後)と比べると、道に落ちている人糞の数は5倍から6倍に膨れ上がっているらしい( https://www.vice.com/en_ca/article/a3xdae/more-people-pooping-in-san-francisco-than-ever-all-time-high-vgtrn )。ランチの後、友達と歩いていると、あまりの浮浪者の多さにオープンしようにもオープンできないショッピングセンターの入り口の前に、巨大な人糞が2つ並んでいた。「これは、二人の人間が並んでしたしたものなのか。それとも、一人の人間が小分けにしたものなのか」と友達が自分の息子に訊いていた。そんなことを考えもしなかったと私は心の中で感心していたのだが、「そんなことは考えたくもない」と息子君は答えた。この年になっても幼稚園児の精神構造をしていると言われがちな私からみると、非常に聡明で大人な答えをしていると思った。
Category: カリフォルニア
バッグ置き忘れ事件
San Francisco Bay 1年ぶりのサンフランシスコ。気候的には10月が最高。友達との再会も最高。でもカバンをシェアライドの車の中に置き忘れた。慌てて降りたのがいけなかった。レストランでお勘定するときになってようやく2個あったカバンが1個しかないことにようやく気づいた…… 当然貴重品が入っているほうがない。同行の友達が呼んだリフトだったので、彼女を介してドライバーやリフトに連絡するしかない。リフトの対応は速やかで、ドライバーも最初の電話には出てくれたけど、私が気づくのが遅かったため、既に遠くに行っている。それに彼の英語が拙い。ちなみに、紛失物の問い合わせは リフトのアプリからできる。そうすると、リフトからドライバーに連絡が回り、ユーザーがドライバーに 直接連絡できるようにもなっている。ただ、リフトを間に挟んで紛失物を回収しようとすると、リフトに15ドル払うことになるうえ、その日のうちに回収できない。旅行者の私は、直接ドライバーにカバンを持ってきてもらう道を選んだ(友達のためにも長引かせられない)。実は、カバンをなくす直前、友達にお金を返すため300ドルを銀行から引き出していた。その現金がカバンの中に入っていた。アメリカでそんな大金をわざわざ返しに来るお人好しドライバーがいるのか?! ピザを宅配注文しても配達途中でピザが行方不明になることもある国なのだ! レストランの帰りに乗ったリフトの運転手に聞いてみると、「カバンを返してくれるかどうかは人による」らしい。300ドルの現金入り財布をその日のうちに返してもらうには、魅力的な「報酬」を提示するしかない!! 50ドルと提示してみた。 不幸中の幸いで、私は友達の家でスマホを充電させてもらっていて「ダブル」の置き忘れをしたため、友達の家からウーバーを呼び、自力でホテルに戻ることができた。しかしドライバーからは、なかなか返事が来ない。英語のメッセージの解読や返信に時間がかかるのかもしれない。私の頭の中では、この人は小さな子供を抱えたお父さんで、子供が寝付くまでは財布を返そうにも返せない、というシナリオが出来上がっていた。この日のうちに返事は来ない...... 私は諦め、私のために奔走してくれている友人にもそう伝え、クレジットカードや銀行カードにロックをかけ、スマホから離れてネットで遊んでいた……。1時間ほど経っただろうか。スマホにふと目をやると、メッセージの着信数が半端ない。友達から怒りの叫びがいっぱい届いている。ドライバーと連絡がつき、私のホテルに持ってきてくれる、いや、もう既に持ってきてくれた模様なのだ。慌ててフロントデスクに行くと(走れないので足を引きずり、つんのめりながら急いだ)、フロントのお兄さんが「ああ!」と言ってカバンを出してきてくれた。「ドライバーに本当に50ドルあげるって言ったの? 本人のいないところで財布を開けるわけにはいかないけど、時間がないからって、僕の目の前で50ドル抜き取っていったよ」あのリフトのドライバーは、友達が送ったメッセージをフロントデスクのお兄さんに見せたらしい。実はとても正直者で、いい人だったのだ。私は今までずっとウーバー派だったけど、これを機にリフトに乗り換えることにする。さようなら、ウーバー。こんにちわ、リフト!
3年ぶりのサンフランシスコ
短い期間だったけど3年ぶりにサンフランシスコに行ってきた。向こうの友達とは互いのSNSやブログを読み合っているので、久しぶりの気がしないし、すぐに本題に入って話せるのがいい。 この時期の北カリフォルニアの空は真っ青で、きらきら太陽の日差しを感じながら「私はなぜトロントにいるのだろう」と思ってしまう。そんな極楽のような気候の中で暮せば自殺は考えないのでは? と思う人もいるかもしれないが、美しすぎる自然を目の前にすると、自分の人生がちっぽけに思え、それはそれで人生を精算したくなる衝動に駆られる。 スクエアはスクエアと名乗りすらしない サンフランシスコのど真ん中だと、シェアライドもアプリを開くと車のアイコンが団子状態で表示され、グニュグニュしていた。ロボットバリスタのいるところでコーヒーを飲もうと思ったが、バカバカしくなりやめた。おしゃれ感満載な人間が抹茶ドリンクを作っている店も、ロボットバリスタとおなじぐらい不思議な光景で、長居をしているうちに紙ストローの先っちょがドロドロになった。 突然出回り始めた紙ストロー。海を汚染しているプラスチックを気にするなら、ストローなどまさに大海に水一滴。むしろドリンクを注ぐプラスチックのカップとかペットボトルだと思うけれど、「これならあきらめてもいい」順でいくとストローなんだろうと、フラプチーノを飲みながら思った。そして、インスタ映えを考えると、透明のプラスチックのカップが消えることはないな、と思った。 サンフランシスコ市内はホームレスが増えていて、シビックセンターの駅周辺がヤバイ!と聞いていた。「とにかく人々の行く方向についていけば問題ない」とアドバイスされたが、通勤ラッシュ外の時間帯だったので、ホームに降り立つ人の数も少なく、みんなそれぞれあらゆる方向に散っていく。慌てて、お勤め人ふうの人の後にぴったりくっついて改札を抜けて地上に上がると、私が前回来たときよりもきれいになっていた。どうも市の努力の賜物らしい。 ミッション地区の路面 10月17日未明、トロントの空港で入国審査の画面をピッピと押していると、17日からカナダで合法化された大麻についてどーのこーの尋ねてくる画面が出てきた。 まあ早い! カナダはアメリカの大麻が合法化されていない州からの観光客を思い切り当てにしている。
San Francisco BART (兼高かおる 世界の旅)
この間、大昔のテレビ番組「兼高かおる 世界の旅」のサンフランシスコ編を見ていたら、なんと、BART の建設の様子が取材されていた (1966年)。その頃も、ベイエリアの人口が激増して(インテルとかシリコンバレーの老舗企業が生まれる直前だったから? それとも戦後で人がいっぱい戻ってきたから?)、交通渋滞が激しかったのを解決するためだったらしい。 番組はオリンダへ抜けるトンネルを掘っているところだったし、オークランドの長閑そうなジャック・ロンドン・スクエアも出てきた。BART の海底トンネルの話とか、車両がいいですね!と番組で褒めていた(その頃から車両は変わってないよね??)。 一番ビックリしたのは、BART 以前は、サンフランシスコからオークランド空港に行く交通手段として、水陸両用車が使われていたこと。ボートに乗るかのようにサンフランシスコ湾を渡り、空港に着いたら、そのまま岸からズボーっと車体ごと揚がって、空港の滑走路みたいなところを走り出すという、非常に便利そうな乗り物だった。 海を走ってきて... 陸にあがる ボストンで、アヒル型の水陸両用車に乗って観光したことあるけど、同じようなものみたい。 それにしても、当時の飛行機の中の通路がとても広い。今では考えられない。そして、番組そのものが長閑だった。
WANTON SOUP
北カリフォルニアに来ています(ソノマね)。 ベトナム料理店でワンタンスープ(麺入り)を注文したつもりでいたら、麺が入ってなかった。 レシートは捨ててしまった後だったので、どっちの間違いかはわからないが、私のほうが麺入りと指定し忘れたと思う。でも麺入りが食べたいから「麺が欲しい」と言うと、僅かな追加料金で麺を持ってきてくれた。こういうとき、アメリカ人は対応がすばやいと思う(アジア系アメリカ人だったけど)。 大きなドンブリになみなみと麺とスープを入れたものを追加で持ってきた!大盛りラーメンを2杯食ってる女みたい! 後から、ウェイターのお兄さんが、ドンブリ1個にまとめてあげようか?と声を掛けてくれたけど、たぶん、これが日本なら、最初の器をいったんキッチンに引っ込めて麺を入れてから出してくれるはず。 この日記のタイトルの英語の綴りは狙ったわけじゃない。間違えただけ。正しくは WONTON。WANTON は「不埒」という意味で、狙ってもいないのに下ネタになってしまったので、このままタイトルは直さずにおいておこう。
Market Street Railway (San Francisco)
サンフランシスコに住んでいる人ならよく知っている F ライン。世界中のレトロな電車たちを集めて普通に市電として走らせてます。Fラインはフィッシャーマンズ・ワーフからカストロ地区を結んでいるので市民の足としてだけでなく観光客が利用することも多い。残念なことに、このFラインの運賃300%値上げ案が出ている(廃案になるといいなぁ) この路線はカストロが終点(?)なので、この路線の運転開始のときのスローガンが「Take Me to Castro」だったらしい。カストロ地区はゲイ地区なので意味深でもあるけど、そういう遊び心があるところがサンフランシスコのいいところ。 このFラインにはトロントのTTCの古い「Red Rocket」も走っている。うまい具合にこれに乗り合わせるのは難しいんだけど、今回は見事に乗り当てた!!マーケット・ストリートにある「Market Street Railway Museum」に電話するとスケジュールをある程度教えてくれるらしい。 私はこの路線(景色と車両)が好きなのでサンフランシスコに行けば利用するけど、今回はこのミュージアムに行ってみた。すごく小さくて無料なのに見るものは多い。お土産になるようなものもかなりある。サンフランシスコの公共交通機関や都市開発の歴史が学べるようになっていて、当時の宣伝ポスターや標識も置いてあるからレトロなグラフィックアートを見るのも楽しい。電車のミニチュアとか、ケーブルカーの運転席を復元したスペースがあって、そこで運転手気分も味わえる。電車オタクなお兄さんが居て質問すれば色々と教えてくれる。 ぺっぴんな車掌にも会える イギリスから来たこの屋根ナシの電車(写真右)にいつか乗りたいのだけど、走っているのを見たことがない。屋根がないため天候良好なときしか走らせられないので、走行自体が稀らしい。車両が全体的にティキ・バー風なのがステキ。 一番最初にサンフランシスコのFラインに持ち込まれたのは、ポルトガルのポルトの市電。 歴代のトークンと特別切符。ハロウィーン仕様の切符がとても可愛い。嗚呼トロントもこれぐらいのサービス精神を出してもらいたい。
ツイッター
サンフランシスコから帰ってきたら、トロントはもう晩秋といった感じで寒い。カリフォルニアの抜けるような青空と眩しい太陽の光に眩惑されてサンフランシスコに帰りたい!などと思っていたら、近年のサンフランシスコ市はスタートアップ企業の誘致に力を入れているせいで家賃が異常に高騰していて、ホームシックもあっさりと吹き飛んでしまいました。目の前が公園でビクトリア様式の家なんて三百万ドルぐらいするよね。 今回は遊びとお茶の稽古が目的で、昼間はホテルの部屋に篭って仕事をしていましたが、ツイッター本社ビルを通りかかったときに「ここで(FBの)チェックインしたら、ツイッターに出張したみたいに見える!」とFBに写真をアップしましたが、ホントに本社ビルの前を通りかかったのだから嘘偽りはない。 丁度昼休みだったのでその本社ビルからぞろぞろと出てくる人たちを見ていたら皆若い!こんな若い人たちが市内の家賃を高騰させているのかぁとジロジロ見てしまいました。ツイッターはIPOの申請を既に提出しているのだけど、来年のIPO時には億万長者がわんさと現れ、さらに住宅・家賃の価格が高騰するのかななどと考え込んでしまいました(つまり、ますます私たちがサンフランシスコに戻りにくくなるということなので)。でも2000年あたりのドットコムブームのときだってそうだったしね。 でもツイッターって何がそんなに「ウリ」なのか、シロウト目には技術的にもなんか革新的なことやってそうにも見えないしと不思議に思います。何かを作って売っているわけではないし、金融工学ほど難しそうでもないし。つぶやきの内容を分析してそのデータを売っているとか?!でも人々や企業が「いちいちつぶやくの面倒だわ」と去ってしまえば、それであっさりおしまいになる商売だし。iTUNEから人々が簡単に去っていくことは考え難いのとは大違い。だからこそなおツイッターの商売は不思議で仕方がなく、考え出すと夜も眠れません。 あ... 今赤字体質みたい...
またまたサンフランシスコ!
サンフランシスコに来ています。今日は空港付近のホテルに籠もって仕事しているけど、10月のサンフランシスコは好天気だからとても爽快!午後1時はアジア行きのフライトが続々と飛び立つ時間帯なので休憩を兼ねホテル前の散歩道を歩く。ANA機が飛び立つのを眺めていたけど、あれが日本行きかと思うと胸がきゅんと締め付けられる。私にも望郷の念がまだたっぷり残っているということ。 週末は友達と遊び、立ち寄ったArtfibersでテンションを上げてしまい、見本スワッチを散々おさわりした後買ってしまった。Artfibersはサンフランシスコ近郊で作られた糸だけを扱っていて量り売りをしている店。糸が高級なので8年ぐらい前にも行ったことがあったけど買えなかった。今回は店の人に色々相談しながら、割引の拍車もかかってスカーフ一本分のShushというスーパーキッドモヘアにリクラが入った細い糸を買った。即興でデザインを考案してそれを説明してその適量を売ってもらった。お値段は税込みで20ドルと高くはない。でもちゃんと足りる・出来るだろうか。編み直しが難しいモヘアだからな。必要な分だけ買うから無駄がないということでもあるし、失敗したときに「足りなくなる」可能性も秘めているということ。 店には手染めでファイバーもこだわりの糸ばかり。ヒツジだけでなく駱駝やヤクの糸もある。植物系や合成繊維も美しく珍しいものがたくさん。全部のスワッチを時間をかけて友達とあーでもないこーでもないと編物談義しながら見るのは至福の時だったな。 残念なことに来年初めに閉店し、オンラインストアに変身するとのこと。店をやっているとそこに居ないといけないので旅行にいけない。店は30年もやってきたから「第二の人生の幕開け」ということなのだそう。その気持ちはよくわかる。サンフランシスコに住んでいる人なら今のうちに是非。オンラインストアのみになっても糸見本は郵送してくれるということだけど、糸に惚れ込むにはスワッチを触らないと… ですよね。 Artfibersで買い物してウキウキ気分でノースビーチ経由でチーズフォンデュの店まで歩く。サンフランシスコに住んでいたときは坂道の勾配が急すぎて歩きづらいコースはなんとなく頭に入っていたのにすごい坂道を登っていくはめに。でも頑張れば素敵な景色が待っている! 機内で石井好子の「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」を読んでいたら、偶然にもフォンデュとブルギニヨンのことが書いてあって、ちゃんとみんなでチーズフォンデュとビーフのブルギニヨンを食べました。おいしかった。話も楽しかった。
