岩盤浴

ほんの少し遠出をして、命の洗濯をしてきた。あるところに岩盤浴のできるところを見つけ、淡い期待を抱きつつ予約を入れてGO。 アジアチックな甚平のような服を渡されて一気にテンション下がる。洗濯板でゴシゴシと、本当に命の洗濯をしてしまいかねない服だった。 デトックスしたい!と思っている熟女にあるまじき野良の格好で岩盤へ案内され、「まずはお水をどうぞ」と差し出されたのが、プラスチックのお椀。ええ、あのお味噌汁やおすましを飲むためのお椀…… 昔はフタ付きだったようだがフタはもうない。リッチな気分に浸るはずが……レモンやライムのスライスが入った水がグラスに入って出てくるシチュエーションでお椀はないよな!!  そして岩盤浴。岩盤、ガンバン、石はどこ? 悪趣味なキッチンカウンタートップのような、確かに石ではあるかもしれないものの上に寝転がる...... が熱くない。ある程度は熱い……最近また太った私の心臓にはこれぐらいの温度がよいのかもしれない。ヒデキもサウナに入った後に脳梗塞で倒れたし…… 悶々としているうちに、水の入ったお椀をひっくり返してしまい、岩盤とともに濡れる。 普段私は「どこもかしこもインスタで盗み合ってて、おもしろいものがない!」とぼやいているが、この日ばかりは「少しはインスタで勉強しろよな!」と思った。 翌日、スパから「いかがでしたか?10段階評価で10がベストなら、どのぐらいの点数をつけますか?」とメッセージが届く。 マイナスよ! マイナス! マイナスって選択肢はないの? ……結局すべてがありえなさすぎて笑い転げ、結局命の洗濯達成。 思い出になるものを買おうと思って、誕生石のトパーズを買って、お供え。

モントリオールの週末と結婚式

ユダヤ教の結婚式出席のためモントリオールに行きました。 モントリオールは2回目。結婚式は郊外のユダヤ系住民が多数を占める町で開かれるとあり、「Barney’s Version」に出てくるようなモントリオールのオールドマネーの大金持ちのユダヤ人たちを垣間見ることができるのではと淡い期待を抱いていました。実際は超金持ちというよりは小金持ちな方々でありました。私から見ればそれでも十分リッチそうでしたが。宴会場は食べ物に溢れ、5時半から始まったのにデザートにありついたのは夜11時を回っていました。デザートビュッフェは大規模で、ケーキやチョコレートフォンデュにダイブしちゃおかな、ぐらいの勢いでしたが、「食べ物がこんなにも無駄になるなんてもったいない」と影で文句を言う人も結構いて、富を誇示するのも難しいものだと思いました。 シナゴーグは広々としていて、式も宴会も同じ場所でやったので、結婚式に費やしたお金が全てシナゴーグに流れているということであり、「賢いな」と独りうなずいておりました。ユダヤ教の結婚式に参加するのは2回目。ユダヤの伝統的な音楽に乗って、輪になって踊るのですが、小学校で習った「マイムマイム」のステップなので簡単。 出席者用ヤムルカ モントリオールは1970年代にトロントに追い抜かされるまでカナダ一の大都市、経済の中心地でした。Expo 67 とオリンピックが開催され、地下鉄もそれをきっかけに作られたのですが、今のモントリオールの地下鉄は車両は別として、切符はプリペイドカードが導入されているのでトロントより新しい。でも市内の高速道路を走ると、いつ崩れてもおかしくなさそうな疲弊したオーバーパスが張り巡っていて、下を走るときは心配でした。実際、滞在中に道が突然陥没したり、上から鉄の塊が落ちてきて通行人が死亡する事故が発生。道中知り合ったおじさんが「オーバーパスから落ちてきたコンクリートの塊で道路の穴を埋める」と冗談をかましていました。モントリオール没落の原因は社会福祉に力を注ぎすぎているからと言われていますが、税金用途というのはいつも揉めどころですね。 セントローレンス川の急流、オンタリオ湖はこの上流にある フランス語文化圏にあるモントリオールは食べ物がとても美味しい。美味しいお店を友人に紹介してもらったからかもしれないけど、マルシェなどに並ぶ野菜や果物はトロントで見かけるものとは鮮度も値段も大違い。レタスの葉が柔らかい、お肉の焼き方がよい、イチゴの味と香りがよい、ワインが安くて美味しいものが多いなどなどどれも小さなことですが、食へのこだわりの違いや食文化の違いを大いに感じました。 一杯食前に酒をひっかけようと、バーらしき店に立ち寄りました。「バーライセンスがないから、おつまみ買わなきゃだめよ。1セントだけど」と前置きがあり、期待せずにいたら豚肉を塩胡椒しただけの串なのにこれがものすごく美味しかった!しかも4本。私はこれにケベックのアップルサイダー(ビールみたいなやつじゃなくて、ワイン風のやつ)を注文。このアップルサイダーのファンとなりたくさんボトルを買ってきました。 市場に並ぶイチゴ、ラズベリー、ブルーベリー レモンを絞って飲むエスプレッソ - 絞り過ぎに注意

Rebel House & Mackenzie House

Doors Open Toronto 2013 では Mackenzie House をチェック。 これはカナダがイギリス植民地支配から独立する上で重要な役割を果たしたウィリアム・ライアン・マッキンジーが晩年の短い間だけ住んでいた家です。彼はこのあたりのカナダが「アッパー・カナダ」と言われていた頃のトロント初代市長。彼の孫は第二次世界大戦時のカナダ首相、ウィリアム・ライアン・マッキンジー・キングで50ドル札紙幣のデザインにもなっています。 1812年戦争での勝利でアメリカ支配を逃れたアッパー・カナダはその後イギリス支配から独立する必要に目覚めます。イギリスから任命された人々による政府ではなく、植民地住民が自ら選出した人で築く政府樹立を目指し1830年代に反乱を起こします。マッキンジーはそんな「改革派」の中心人物。イギリス領アッパー・カナダから追放され、先にイギリスから独立を勝ち得たアメリカで逃亡生活を余儀なくされるなど様々な憂き目にあいますが、農民などからは圧倒的支持を誇っていました。 マッキンジーは自分の政治的意見を世間に伝えるために活版印刷所も所有。政敵に印刷所を襲撃され活字をオンタリオ湖に捨てられたり、その報復に壊れて使えなくなった活字をマスケット銃に詰めて反撃したり、当時の印刷技師たちも命がけ。そんな印刷所を復元したものがMackenzie Houseにあります。今はここで当時のマッキンジーの新聞などをお土産用に印刷しています。私は新聞より「牛、見つけました」のほうが気に入って2ドルで購入。普段も一般に公開されているとのことなので是非一度訪ねてみてください。 あれから200年経った今のカナダもやはりイギリスの影響を受けていますが、今はアメリカとは一線を画すためなのか、カナダ軍の名前に「ROYAL」という単語を2年ぐらい前からまたくっつけたりして(カナダ軍の最高司令官はエリザベス女王なので)、イギリス連邦の一部であるというアイデンティティを押し出しているようなところがあるように見えます。イギリスの影響というは綿々とカナダに続いていて、それをどう考えるかというのが現代カナダ人にとっては非常に重要なことのようです。トロントに住んでいるととてもアメリカの影響が強いように思いますが、NAFTA 以前のカナダってどんなだったんだろう、なんて想像してしまいます。 ところで、私が足繁く通うパブのひとつに「REBEL HOUSE」というのがあって、この店名の由来は1837年に起きた反乱のちなんだものです。マッキンジー率いる改革派(反乱者)がヤング・ストリートからトロント市街地へなだれ込もうとしたとき、エグリントンとブロアの間で政府軍と乱闘に突入。反乱軍は敗走、何人かは絞首刑となりました。まあそれでその乱闘があったあたりにあるパブということで「REBEL HOUSE」、そして店のロゴが絞首刑になっている人なんですね。このパブはビールやワインの品揃えがよいばかりでなく、ゴハンも美味しいのですよ。 トロントのパブには Betty’s (カリフォルニアのベティ・フォード・クリニックと名前で揉めた)をはじめ面白いところがあって、そういうところから歴史を探るのも私の趣味です。 Mackenzie House http://en.wikipedia.org/wiki/Mackenzie_House

Capilano Suspension Bridge

バンクーバー市街からライオンズブリッジを渡り約10分。キャピラノサスペンションブリッジ(吊橋)に行きました。有名だし、スターウォーズファンに勧められたし(私はファンじゃないけど)、宿泊しているホテルから無料シャトルバスが出ているし... で。 入園料大人33ドルで痛いけど。ゆっくり回れば2時間以上は軽く過ごせるけど。 市街からたったの10分でこんな大自然(?)が見られるなんてちょっと驚き。天気良好の日曜日だったので人でごったがえしてはいたけれど。でも「せっかくここまで来てこんな人工的なもの!」と思うアウトドア派の人もいるかもしれない。ウィスラーまで日帰りで行けるのだから、自分の胸に手を当てて考えてから行ったほうがいいでしょう。 いきなり長い吊橋を渡らなくてはいけません。高所恐怖症の人は絶対に足を踏み入れてはいけない場所です。 人が多かったので、その重みで橋が揺れる揺れる... 渡りきると、EWOK の森です。これもユラユラ揺れます。大木を上から見下ろすことなんてあまりないから、鳥の気持ちがわかります。 綺麗な池もあってニジマスが泳いでいます。水が透き通っていて、太陽の光とのコラボで、このような幻想的な水面の写真が撮れました。 その後はこれ。ところどころ床がガラス張りになっていて、自然を愛でるどころではありません。 スマホでみなさん写真撮ってましたけど(私も)、ここで落としてしまった人、いますよね、きっと。 公園の入り口付近にはトーテムポールがたくさんあります。なかなか見ごたえあります。 帰りはシャトルバスじゃなくて、市バスとフェリー(Lonsdale から)を乗り継いでバンクバー市街に戻ってきました。フェリーからの景色は抜群で、山の頂や、停泊中の巨大なオイルタンカーや豪華客船や、バンクーバーの市街が見えます。市街地側に到着すると列車とフェリーの駅があります。ちょっと素敵。 電車の旅が好きなので、いちど列車でのカナダ横断の旅をしたいと思ってます。 ま、ナイアガラの滝同様、「一度は行ってみたら?」な感じですが、また行きたい!というところではなかったな。

2年ぶりのバンクーバー

2年ぶりにバンクーバーに来ました。やっぱり私は西海岸のほうが好き。海の近くが好き。トロントだと蒸し暑すぎ。 夕日が高層ビルのシルエットの向こう側に沈んでいく様子もいいけど、太平洋の彼方に沈んでいくほうがやっぱりダイナミックで、「生きててよかったわー!」と思えるね。今回はホテルにチェックインしたとき「部屋をアップグレードしてあげます」と言われ、海も山も街も良く見える部屋にいます。ラッキー! ベランダでワイン飲みながらあれこれしゃべっていると時間があっという間に経ってしまう。 バンクーバーは魚介類もとても豊富。トロントを経つ前からリサーチしておいしいと評判のシーフードレストランを予約。 http://www.bluewatercafe.net/ ちょっと値段は張りますが大満足。ブリティッシュコロンビアの生牡蠣を注文。BC の牡蠣は一日3種類しかなくて、あとの3種類はアメリカ西海岸かカナダ東海岸のもの。毎日食べられる牡蠣の種類が変わるみたい。 教授も美味しい食べ物は好きだけど、魚に関しては予備知識があまりなく(私もあまりあるわけじゃないけど、海の近くで生まれ育っているので教授よりは知っている)、私が「トロントで食べるハマチはおいしくないから、おいしいハマチを食べましょう」とお刺身頼んだら、自家製の醤油が出てきて、これが美味!カツオがよく効いていてお醤油を飲んでしまったー!出てきたハマチもとても美味しかった!でも、実は私はハマチ派じゃないんです。サシミはもっとさっぱりした魚かイカが好き。でもそれは日本に行って食べないとね... メニューに「魚はほぼ地元でとれたものです」と書いてあって、「(地元のものが食べたいから)どれが地元のものでないか聞こう」と教授が言っていたのですが、メニューに「アヒ ツナ」とあったので、「マグロはバンクーバー近海のものじゃないと思うよ」と言ったら「なんで?なんで?なんで?」と聞いてきました。このあたりが私たちの魚に関する知識のレベルの違いです。でも逆に私は肉のことを知らないのでお互い様です。 メインは銀ダラ。味噌とみりんとダシでおいしく味付けてあり、身もとてもおいしかった。量が多そうだったので、一品を半分に分けてもらった。それでも充分すぎるぐらい。でも銀ダラじゃなくて、カニの丸ごととかにしればよかったなー、と後悔。 ワインはブリティッシュコロンビアのピノ ノワール。フランス風のとカリフォルニア風のピノがあったけど、カリフォルニア風のにした。おいちかったー!!!ブリティッシュコロンビアのワインもほかのワインも豊富に揃えてる。 このレストラン、すごい人気なので9時以降なら比較的簡単に予約とれる。雰囲気は西海岸風でカジュアル。客も短パンとTシャツが多い。 この日は晩御飯に大枚はたいたので、翌日は JAPADOG でホットドッグ!これもまた美味でした。でもそれだけでは足りなくて、夜に地元のムール貝の酒蒸し食べた。これがプリプリ&フルフルした身で美味しかったー!今晩は何食べようかな。今日は昼間は一日お仕事。晩御飯しか楽しみがない。しかも独りで食事!!