人からもらった本を読んだ。結果、無差別的な読書だった。 「草原の記」 モンゴルの話。大昔の話をしているので、モンゴル(匈奴)と直接対峙する当時の中国北辺の町に、今の山西省太原が出てきた。でも、今読むと「太原といえば、鴻海工業のiPHONEの工場」のイメージしか湧いてこない。気になって刊行年をチェックしたら、平成4年(1992年)。これを書くために司馬遼太郎が中国やモンゴルへ行ったのはずっと前。 あと、物を溜め込むのは農耕民族の証らしい。どおりで私に断捨離はできないわけよ。DNAに物を溜め込むって刻まれてるからさ。 「ミラノ 霧の風景」 言語は違うけど同業者なので、須賀敦子さんの本はよく人に勧められる。素敵だったけど、読んでいるうちに、バブル世代はこういう外国で活躍した日本女性のエッセイを好んで読んでいるのではないかとふと思った。今はこういう本はあんまりないよね。 「無差別級」 ナンシー関が西城秀樹のベスト盤CDを持っていると書いてあった。それと、「西城秀樹の年齢不詳」という芸能ニュースが当時あったことを知った。昭和芸能人リバイバルブームの頃だったらしい。1994年あたり。
Author: Kyoko Nitta
ミニチュアカップ
やっと仕事が一区切り。長かった気がする。解放されたらあれもやりたい、これもしたい、と思ってやりたいことをメモしていたら、短い北国の夏がいつの間にか終わっている様子… とりあえず、ディナーセットを並べて解放の日を祝おう!ボナペティ! 今年に入り集めはじめたミニチュア。 週末、近所のガレージセールで、大きなものがいろいろと売られている中、ミニチュアのダイニングテーブル発見。掘り出し物だったので迷わず購入。 テーブルを買ってみて気づいたけど、ミニチュアの問題は、縮尺がばらばらなこと。このテーブルには巨大すぎるミニチュアカップがある。というか、写真の巨大ミニチュアカップはドールハウス用ではないね。抱っこ人形にお茶を飲ませるときに使ったんだろうね。
WAR DOGS
武器について仕事で勉強したから、その知識が薄れる前に見ようと思った。役立った。 ブッシュ政権時代に軍事オペレーションがいろいろとアウトソースされたので、それに便乗してバカ儲しようとした若者二人の話。いやー、こんなレベルの武器商人いるんだね。 http://www.imdb.com/title/tt2005151/ これを見ると愛国心燃やして戦うのがバカバカしく思える。と同時に、そういえば、戦争に必要な武器の諸々はどこから運び込まれているんだろうと考えたことがなかったことにも気づく。 事実を元にした話で、ものすごーく脚色されているらしいけど、実在人物のほうがそれを演じている役者よりかっこいい。 勉強になったなと思うけど、見ると不機嫌になる映画だった。安く上げたいなら平和だな(⇦なんでもお金に換算して考える人みたいに言ってみた) ちょっと長いけど、元ネタになっているローリングストーンの記事も貼っとく。 http://www.rollingstone.com/politics/news/the-stoner-arms-dealers-20110316
卵型マトリョーシカ
やっと手にいれた卵型マトリョーシカ。さほど珍しいものではないようだけど、数が少ないので「これだ!」というのはなかなか見つからない。ところが、カナダ国内にあった! この渦巻き模様は、もともとは布をくるくる巻いて、その断面に絵の具をつけて、ポンポン叩くように模様をつけたものらしい。このマトリョーシカの渦巻きは、そういう伝統の模様に似せて描いてあるだけ。それか、ハンコみたいなのがあるのかな。 最近思うけど、現代作家が作ってるものは別にして、伝統的なもので古いマトリョーシカは、1番外側は万人ウケしそうな顔をしていることが多いけど、中に入っている人形はくせのある表情をしていることが多い。「開いてみたら、あれ?」というのはマトリョーシカ特有のインタラクティブな要素なので、なるべく踏襲してほしい。有名な作家は全部が抜け目なくキレイだったりするし、マトリョーシカに愛もプライドもないのに作っている現代アーティストはマトリョーシカのストーリー性を無視してる。 ...と批評家ぶってみた。 ここんところ、ミニマリストな生活が流行っているし、「貧乏人ほどものが捨てられずに物に埋もれて暮らしている」とすら主張する記事も最近読んだ。しかし私に限ってミニマリストな生活はあり得ない。近藤麻理恵が「手にとってときめきを感じなかったら捨てなさい」と言っているけど、私はいろんなものにときめいているからね。 淀川長治(さよなら、さよなら、さよなら、の人)も家の中がぐちゃぐちゃで、机の上にも本がいっぱいで、だから引き出しに板を置いて、そこで原稿を書いていたと言っている。やっぱり私は淀川派だと思う。
Sausage Party
バカっぽくて楽しかった!会話のペースが速すぎてわからないところもあったけど。ずーっと下ネタ。 それに好きな俳優満載。というか同じ顔ぶれ。 http://www.imdb.com/title/tt1700841/ 近所の映画館で見たけど満席。結構面白い映画もやるし、火曜日は5ドル。
ヒデキの英語の発音
仕事が後半に差し掛かって遂に病んできたのか、脳梗塞前の西城秀樹がAIについてトーク番組で話している夢を見た(今人工知能の仕事をしている)。それを聞いて「そうそう。そういうのはヒデキの歌の随所に現れているよね」と西城秀樹研究に勤しむ私は頷いていた。「起きてメモらなきゃ!」と思いつつまた寝てしまった。 夢うつつの世界にいるときにいつもびっくりするようなことがひらめいたりするので、枕元にペンとメモ帳を置いていたのに、いつの頃からか、メモを失くすという理由でスマホでメモをとるようになりペンもメモ帳もなかった。こういうときスマホは威力を発揮しない。 ヒデキが何を言っていたのかはもう覚えていない。でも脳の話だった。しかしAIについて西城秀樹の明察を夢の中で聞けてよかった。 ヒデキのカバー曲ばかりを集めたCDを聴いていて思ったけど、若い頃は英語の発音があんまりよくないね。例を挙げると「Feeling」の発音が「Filling」の発音になっている。「フィリング? 虫歯の話?」と突っ込みたくなる。後になると格段にうまくなっている。 練習の成果なのかなと思っていたけど、ちゃんとした(英語の)ボイストレーナーというのが昔はあまりいなかったのかもしれないという意見を聞いてちょっと納得。前にも書いたけど「傷だらけのローラ」のフランス語版はやっぱりフランス系カナダ人からフランス語の指導を受けたらしく、ケベック訛りで「ローラ」を歌っている。ほかにも中国語で何かを歌ってるのも聞いたことがあるけど、そっちはしっくりしててよかった(中国語わからないけど) そもそも外国語でわざわざ歌って洋楽を日本に紹介するというスタンスが今はあまりないよね。 よくさー、明治時代の日本の洋風建築が和洋折衷で不思議な感じに仕上がってるよね。東京駅とか。昭和の歌謡曲もそういうかんじがする。
WEINER
アンソニー・ウィーナーなんてあんまり好きじゃないけど、今時のソーシャルピンクスキャンダルで政治生命を落としたのが印象的だったので、この映画を楽しみにしていた。もしかしてウィーナー復活のゲタを履かせるようなドキュメンタリーだったらどうしよう、と一抹の不安もあったけど、そうじゃなかった。むしろウィーナーのめちゃぶりに、映画監督もびっくりしたんではないかしら。 http://www.imdb.com/title/tt5278596/ アンソニー・ウィーナーが政治家としてダメかも、と(私が)思ったのは、結構若手のくせにソーシャルメディアの恐ろしさを全然わかっていない、嘘がつき通せると思っていることだな。これがおじいちゃん政治家だったらしょうがないなーと思うけど。意思が弱いのかな。 それと火(女)遊びのレベルが低いのも、せこさを感じさせる。選挙運動のブレーンだった若者たちが「……」となっているシーンは気の毒にしか思えなかったし、ラインとかを上手に使っている若者が、フェイスブックを危なっかしそうに使ってて浮気がばれたおじさんを憐れんでいるみたいな構図だった。元ニューヨーク州知事のエリオット・スピッツァーの高級売春スキャンダルなら、「さすが政治家はスケールがでかいね」と感心してしまう(違法だから感心するとこじゃないけど)。 何より旦那さんにせこい遊びを何度もされて、そのたびにメディアに引っ張り出された美人奥さんに同情。というか奥さんのほうが男前。
大奥 第13巻
12巻を読み終えたとき、なんかストーリーに精彩が欠けてきたかも、あの赤面疱瘡も克服されたし、将軍は11代まで出てきたしな… と思ったのは間違いだった。男女逆転の面白さがまた復活! 若干重いというか、性差の問題が現代化してきた。幕府の抱える問題も現代化してきてるから、「現代に重ねてる?」と深読みしてしまう。
最近の諸々
嗚呼早く解放されて自由になりたい。日本帰国したのに遊べなかったし。帰国のハイライトの1つだったこけしカフェの写真でも載せとくか(西荻窪じゃないよ!) 先々週の土曜日でフラグシップ店を閉店した毛糸屋アメリコに、閉店前日の金曜日に、別れの涙も覚悟で挨拶しに訪ねて行ったところ、「昨日から100回ぐらい別れの涙を流してるから、もう何も言わないで!」と先制された。まあ、閉店したって一緒にカフェで編み物したりするんだからな… と気を取り直し… そこへどこかで見たことのあるゲイっぽい男の人がやってきて、私の好きなブークレ糸を20玉ぐらい大人買いし、それでブランケットを編むと言っている。ゴージャスだ。豪快だ。これぞ男の毛糸の買い方だ!これからコペンハーゲンに行くんだ「男のニットを広めに」と、こちらが振り向いてしまう発言をしていた。 ニット界には有名なニット男子が何人かいるけど、この人は知らないな、と思ってじーっと見ていたら、「地元ニットコミュニティで男の人に編み方教えている人よ」と教えてもらった。なーるほど。 アメリコの店がなくなると、そーゆーニットゴシップが入らなくなるからイヤなのよ!他の店だとノリが違いすぎて全然ダメなの! ま、アメリコはオンラインショップになるだけなんだけど。「オンラインで注文しても私だってすぐにわかってくれる?」と別れる恋人にすがるようなことを言ってしまったけど、「じゃあ、電話で注文して」って言われた。 あー、編み物したい。 自分の好きな本と、自分の好きな映画が見たい。 いろんなことがしたい。 でも何もできない。 外食をしないと決めたのに、ずっと外食してしまい、また太る!と心配していたら、異常な暑さ続きで相殺されたような気がする。 今日の夕陽の写真も載せとこう。
ローラの絶叫
久々にヒデキ。 今一番気に入っているのがライブ収録の「傷だらけのローラ」70年代半ばの絶頂期に歌っていたものけど、曲の最後はひたすら「ローラ! ローラ! ローラァァァ!」と1分近く絶叫している。 あまりに連呼しすぎて、途中で雷音がゴロゴロゴローっと入ってくる。本当に。たぶん会場ではイナズマが走っていたにちがいない。 その演出に毎回私はゲラゲラと笑っているけど、最後に曲が終わっていくときの演奏が「昭和な歌謡曲」になっている。「ローラ!」の絶叫とはぜんぜんあってない、と2016年の私は思う。 帰国中に音楽に詳しいヒデキファンから、ヒデキは洋楽を一生懸命取り入れようとしていたけど、当時は洋楽についての情報がなさすぎていかんせん…… という話も聞き、なるほどー!と頷いた。 先週亡くなった中村紘子も、日本にいるときは天才少女と騒がれていたのに、ジュリアードに留学した時に「はい、最初からやり直しましょうね」と先生に告げられ、ガタガタと自信喪失して、半年ぐらい鍵盤に触れなかったと自伝に書いていた。これもクラッシック音楽の情報が当時の日本では少なすぎたせいで、本人がそう書いている。それを乗り越えた彼女はすごい。 話はずれるけど、帰省中、チーズケーキで有名な某ホテルにお茶しにいき、チーズケーキではなくメロンケーキを注文(特別メニューだったから) 写真で見ると、フツーのケーキにしかみえない。「特別」というからには何か特別なものがあるのだろうかと思い 「このメロン、夕張メロンですか?」 と聞いてみた。すると、 「これはふつうのメロンです。夕張メロンはオレンジ色なんです」 と言われた。夕張メロンを見たことがない貧乏人の刻印を押された気がしたね。同席していた家族にも 「それはふつうの安いメロンやな! 夕張メロンはオレンジ色やな」 とダメだしされた(まったくのリピートで)。しつこいようだけど、一応「特別メニュー」だったんだよ。 ほろ苦いメロンの思い出...
