2016年度の寄付

報告が遅くなりましたが、Think of Japan While Knitting の北米での 2016 年の活動で集めた CAD$285(24800円)をあしなが育英会に寄付しました。東日本大震災での震災孤児を支援するためです。東北にもあしなが育英会のレインボーハウスはできていて、寄付したお金は震災孤児の心のケアのために使われます。 今年も微力ながら活動していきます。よろしくお願いします。

最近のマトリョーシカ3点

集めたマトリョーシカの収納のためカルトナージュで箱を作っていたが、箱を作る速度より、収集のスピードが速いことが判明。借金の返済がおいつかないのに似ている。「さらに集めてしまう」ということが頭から抜けていた。 伝統的な絵柄なのにこういうのはあまり持っていなかった。集めてくれといわんばかりにアンティークマーケットに置いてあった。目がこわいよね。 今更サンタクロースだけど、クリスマス前に買った。なんとなく北欧チックじゃない? こちらはイルフ美術館で買った。ひげおじさん。ひげの下にある四角いものは歯? おかっぱ頭の姪っ子の前で開こうとしたら、「めちゃくちゃにされるよ!」と警告を受けたのでトロントに帰ってくるまで開くのを我慢した。 今週は嵐の前の静けさで、余裕をぶっこいていることができるな。嵐が本当に来るかどうかは不明。

ARRIVAL & MANCHESTER BY THE SEA

人から絶対いいと勧められ、自分でもよさそう!と期待して見に行ったけど、「ふーん…」で終わってしまった映画2本。 http://www.imdb.com/title/tt2543164/ ARRIVAL 予知能力があって、「2001年宇宙の旅」をうっすらとなぞっているような気がしないでもないストーリーとスローさ。奥深そうな話ではあったが、「あら、そうなの」とまったく響かなかった。エイミー・アダムズ好きだし、この監督のほかの映画、割と好きなんだけどな。 http://www.imdb.com/title/tt4034228/ Manchester by the Sea すっごくいい!泣いた!と言っている人も多かったので、泣くつもりで行ったら、涙は一粒たりとも流れなかった。なんとなく腹の立つ内容で、これって男の話だよな、と思った。泣いているのはおじさんが多かったし。いや、性別のせいにしちゃいけないかな。 だらしなさってのは誰にでもあるものだけど、「火は危ないから気をつけて」と口すっぱく言っても一向に言うことを聞かない人はいる。大抵は大きな事故も起こさずにだらしないまま終わっていくんだろうけど、心底しゃれにならないことを犯してしまうこともある。そして同じことを繰り返す。「火」のことだけじゃないんだけど、本当に治らない。自殺未遂シーンでは周りに大勢の人がいて取り押さえられるのがわかりきっている場所だったのにも、心底あきれた。 ミシェル・ウィリアムズはそういうダメ男と結婚している役を演じることが多いね。

ゆめはるか吉屋信子

なぜゆえに私は吉屋信子のことをこれほどまでに知りたかったのか、分厚い上下巻を読んでいるうちにわからなくなった。長かったので中ダレしたけど、おかげで吉屋信子のことがよくわかった。人柄が好きだな。 それにしても吉屋信子のことだけでこんなにも書ける田辺聖子がすごい。 田辺聖子といえば「新源氏物語」 日本帰国中に宇治川のほとりにある源氏物語ミュージアムに家族と行き、「浮舟」の人形劇の映像が流れていたので見た。薫と匂宮が誰なのか、はたまた光源氏とはどういう関係なのかわかってないのに、恋愛関係が複雑な「浮舟」を見たため、家族全員の頭の中が???の嵐となり、映写室を出たところで源氏の家系図を広げながら「誰が誰だったのか」を長い間話し合っていた。熱心な源氏物語ファンだと思われたのか、係りの人に「橋姫もご覧になりますか?」と聞かれ、「浮舟」が消化できていないので「結構です」と丁重にお断りした。

謹賀新年 2017年

日本から戻ってきてすぐにカナダの寒いところに行く羽目になりました。どれぐらい寒いかというと、地元の人は「今日はマイナス9℃だから過ごしやすいよね」などと言うのです。おかげで風邪をひいて年を越しました。マライア・キャリーが口パクになっているのをテレビでちらっと見て、アンダーソン・クーパーとキャシー・グリフィンが毎年じゃれあって司会しているCNNの年越しイベントも見ました。黒柳徹子も延々と一人で喋るけど、キャシー・グリフィンも延々とどうでもいいことを毎年年末に喋り続けています。大晦日の番組は適当に流しながら見るものなのだと思います、たぶんNHK紅白も。 今年もよろしくお願いいたします。 2016年のクリスマスにジョージ・マイケルの訃報が届きました。1988年にアメリカで一夏を過ごした時の思い出の人(MTVでいつも見てた)なので喪に服したかったのに、キャリー・フィッシャーが亡くなり、スターウォーズファンに喪に服すチャンスを奪われた気がしました。キャリー・フィッシャーは最後にハリソン・フォードとのことを書いた暴露本を出して亡くなったので、思い残すことはあまりなかったかもしれません。 今年も大いに遊び、仕事もしようと思います。 LA LA LANDをもう一回見に行きました。2回目もやはりよかった。

イルフ美術館

中国西安の後は日本。長野県岡谷市に行きたい美術館があり、名古屋から特急しなのに乗って中央本線で岡谷へ。 お目当はイルフ美術館。童画をたくさん描いた武井武雄の作品が多く収蔵されている(岡谷は彼の出身地)。絵がわたし好みなのは偶然ではなく、武井武雄は郷土玩具の収集家でもあって、こけしの絵なども描いている上に、私の好きな黒柳徹子がこの人のファンでその絵本を出しているので、当然の帰結。今回訪ねたときは「トリスおじさん」の柳原良平の企画展も開催中だった。武井武雄は子供のための美しい絵を描き、柳原良平は大人のあそび心で子供のための絵を描いている。 イルフ美術館で4時間も絵を見て、グッズをいろいろと買った(復刻版かるたなど)。 帰りは岡谷からスーパーあずさに乗って新宿へ。結果的に中央本線だけで上京してしまった。スーパーあずさが甲府のあたりを走っているとき、きれいな山が見えて「富士山に似ている」と思っていたら、本当に富士山だった。静岡からの富士山を見慣れているので驚いた。 岡谷は名古屋からも新宿からもアクセスはいい。

LA LA LAND

笑えるところもいっぱいあったけど、切なくて、タオルハンカチで涙を拭きながら見た。 エマ・ストーンもライアン・ゴスリンも好きだし、ジャズも好きだし、大衆が背を向けそうなものを大切にしてるところも(ライアン・ゴスリンが)すごく共感できてよかったな。映画を見た後に語り合ってしまったよ。 それに個人的に思い出の場所がいっぱい出てくるのもよかった。グリフィン天文台とか。 もう一回みたい。 http://www.imdb.com/title/tt3783958/

中国西安旅行

中国の西安に行ってきた。トロントから直行便はないので北京経由。北京から西安まではエアチャイナ。エアカナダと同じスターアライアンスだから、スーツケースは西安まで直行すると思い込んでいたら、北京に置いてきぼり。西安の空港の手荷物受け取り所で「あなたのスーツケース、北京にあります。明日の11時に西安空港に届くようになってますから」と空港の係員のほうから先に声をかけられた。おかげで、西安空港への道を覚え、空港付近に石炭の巨大発電所があるのを発見し写真も撮った。PM2.5の拡散に大いに貢献してるはず。 PM2.5に関して言えば、西安は北京や天津よりもましで、滞在中、西安の値は北京の3分の1ぐらいだった。ちなみに、西安から北京に戻るとき、雲の上を飛んでいた機体が、雲の中→澄んだ空→汚染された茶色い大気の順番で降下していき、その日は空からは北京の街が見えなかった。着陸できただけマシかもしれない。西安は空気が霞んでいるものの、上を見上げれば青空が見えていた。 うつせみの シルクロードは 天に伸び 霞とみまがう 塵吹雪かな …と空港へスーツケースを取りに行くときのバスの中で一句詠んでみた。 西安で一緒だったアメリカ人などに「日本も4、50年前は大気汚染すごかったんじゃないの?」と訊かれた。四日市ぜんそくで有名なところで育った私は、確かに... と思ったね。 さて西安。すなわち昔の長安。シルクロードの起点・終点だったので、異文化が融合しているのを期待していったが、あまりそういうのを押しているようには見えなかった。 西安は近代的で、人口8百万人の大都会。周辺人口を含めると東京ぐらいになる。旧市街に行けばイスラム街があって、イスラム教寺院があって、街のあちこちにイスラム教徒のやっているレストランがある。もっと事前に下調べしていけば、何かもっと風情のあるものを見ることができたのかもしれないが、最近、あちこち移動が多くて下調べが面倒になり、現地入りしてからスマホに頼っている(史跡や美術館を巡るんじゃなくて、街歩きをしたいので) 西安で個人的に面白いと思ったのは、旧市街のイスラム街、その周辺の古い通り、パッケージ品やキッチン用品の問屋街とか、おんぼろアパートの並ぶ小道とか、ビール街だった。西安では夜に立ち寄れるバーがあまりにも少なくて(イスラム教徒が多いからなのか?)、お酒はカナダ並みの値段。店はビール街に集まっていて、そこが日本の「歓楽街」のごとく、若いお兄さんたちが客引きをしているので、非常に淫靡な雰囲気が漂っており、ビールを飲むだけなのに悪いことをしているような気持ちになるのだった。ほかにも、街の雑居ビルの中にあるバーにも行ってみたら、ちゃんと「バーテンダー」の服を着たバーテンダーがいて、客のほうは、やや年配お金を持ってそうなチョイ悪おやじたちが、若くて綺麗な女の子をはべらしていた。大学生風の若い客はそうでもなかったけど。卓上にはサイコロとサイコロ入れが置いてあって、それを振っては何やら遊んでいる人が多かったが、あれは何かのゲームなんだろうか。ビールはベルギーのものでもかなり薄めてあると思う。中国人の味覚に合わせてあるのだろうか。あと、ビールが常温で出てくる。 客引きのお兄さん。誰も客が歩いていない 西安鐘楼 英語は全然通じなかった。ホテルでもあまり通じない。小さなレストランに入ったけど、店に入る前に看板に出ている麺の写真を撮って注文。「大、中、小どれにする?」みたいなことを訊かれているのはわかっても答えられないので、苦戦した。頼んだのはワンタン麺のようなものだったが、席に着いてからワンタンの肉にいろいろ種類があることに気づき、どうしても鴨肉が食べられない私は、「鴨はイヤ、牛か豚にして!」という、非常にハードルの高いリクエストをしに、カウンターに戻った。最終的に、料理を作っているおじさんがどんぶりを運んできてくれ、丁重に「どうぞ」みたいなことを言いながら、お箸や紙ナプキンも持ってきてくれた。中国人の客にはそんな丁寧なことはせず、「牛のワンタン麺(大)一丁! 誰や?」みたいな接客をしていた。そのワンタン麺のようなものはものすごく美味しかった。しかし名前はわからない。西安で食べた餃子、麺類はみなとても素晴らしかった。西安は柿の産地のようで、柿の焼き饅頭のようなものも、おかずとして食べたが、なかなかおいしかった。 小ぶりの柿 2種類のつけ汁が出てくる太麺 市内で古いものを探して歩いてみたが、古いものはどんどんなくなっていくように見えた。玄奘(三蔵法師)がインドから持ち帰った仏教の経典が収蔵された大慈恩寺の大雁塔にも行ったけど、敷地内にモノレールが走っていたり、目の前に巨大噴水広場があったりして、新しいものと古いものがぐちゃっとなっていた。あと、家人が「西遊記」を知らなかったことも衝撃だった。まあ、国際カップルあるあるではあるが。 大雁塔 そして西安旅行のキモである兵馬俑。西安からバスで1時間ぐらいのところにあって、英語のツアーに参加した。一緒に行った人たちは気心知れたギークな人たちばかり。秦の始皇帝のことは日本では歴史の授業で習うけど、この人たちのほとんどは学校では習っていなかったので、ガイドさんを素朴な質問攻めにし、おかげで私もいろいろ学べた。こういうツアーに、知ったかぶりの人がいるとテンションがぐーんと下がるが、知らない人ばかりだったので本当に楽しかった。 兵馬俑は一部が世界の博物館を回っているけど、やはり本場に来ると兵士の数に圧倒されるね。きれいに修復したものだけでなく、修復中のもの、発掘して綺麗にする予定の土に埋まった状態のもの、いろいろあって「途中経過」が見られるのがおもしろかった。埴輪好きとしては見飽きない。兵馬俑のショップには、残念ながら、買いたくなるような兵馬俑グッズはなかった。 修復中 タクシーが安い。年をとった人だとメーター付きのタクシーでも値段交渉してくる人が多いけど、若い運転手だと配車アプリを使っていて値段交渉もしなくて済んだ。夜、空港から乗ったタクシーの運転手が小泉純一郎にそっくりだった。ホテル到着後のお勘定のときに運転手が振り向き初めて発覚したが、驚きのあまりお金を払わずに車から転げ出してしまいそうだった。 以上、西安についてでした。 こういう逞しい人も結構いる こういう防寒具が流行っていた。キティちゃんとポール・フランクのサルが一番パクられていた

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シカゴでの出来事

シカゴのお宿はトランプホテルの目の前。 それはさておき、私もちょっと嫌な目に遭った。夜11時近くに一人で外を歩いていたら、ビジネスマン風の40代か50代のおっさんが、橋のたもとで「写真撮って」とスマホを差し出してきた。人通りはあったけど、夜だし、第六感で「この人おかしい」と感じたので、無視して通り過ぎた。私の後ろを歩いていたグループも無視。 橋を渡り切って信号待ちをしていたら、そのおっさんが走って追っかけてきて、私の目の前に立ちはだかり、「写真を撮ってくれてありがとう」と叫んだ。いやだな、面倒な人だな、と思ってササっとカニ歩きで避けたら、私の後ろのグループにも同じことを言った。 「写真を撮ってくれてありがとう」 「私たち、写真とってあげなかったんだけど」 「だから、ありがとうなんだよ」 「え?」 「グローバルな変化が押し寄せているから、心したまえ」 「え? なんのこと?」 「トランプが勝利したからな」 という展開で、皆無言。そのあと、おっさんにしばらく後をつけられているのか、たまたま同じ方向に歩いているのか、よくわからないけど、私だけが追いかけられる形になり、おっさんは時々「ピュー!」と口笛を吹いてくる。ホテルが近くにあったのでロビーに駆け込んだら、おっさんはそれ以上追いかけてはこなかった。 おっさんが人に自分の写真を撮ってもらえなかったのは、政治のせいじゃなくて、夜のせいなんだけどな。それに、スマホなんだからセルフィーしなよ。いや、大人なんだから、自分入りの記念写真撮れなかったぐらいで怒るな。 百歩譲って、アメリカの大都会、しかも夜に「写真撮って」と高価なスマホを見知らぬ人に手渡す無防備さを恥じたまえ。

ミニチュアの旅(シカゴ)

ミニチュアの旅に行ってきた。行き先はシカゴ美術館(Art Institute of Chicago)のミニチュアルーム。トロントからだと飛行機で90分ぐらい。 映画監督のウェス・アンダーソンが何年か前のラジオインタビューで、この美術館のミニチュアの話をしていたのを覚えていた。よくジオラマっぽい映画を作る人なので、その映画もすごく好きだし、彼の話をすごく信用して、いつかチャンスがあったら行きたいと願っていた。やっとチャンスは巡ってきた。 正味2日の滞在で、両日ともミニチュアルームに行った。1日目は、同じく小さなものが好きな友達と一緒に。その小ささ、その緻密さにびっくり仰天。小さな陶器の絵付けも手作業。絨毯も手織り。でも、部屋や調度品を縮小しているだけじゃない。天井も、床も、壁も、椅子のビロードの擦れ具合すら、すべて本物そっくり。そして、窓の景色、午前の日差し、昼下がりの太陽、灰がかった冬空、秋の長い影、夜景、そんなものまですべて再現してある。アメリカンルームとヨーロピアンルームがあって、アメリカ暮らしの長かった私たちは、「なるほど、これはニューヨークっぽい!」などとミニチュアの伝える雰囲気の忠実ぶりに感心しきっていた。 デジタルの世界から遠く離れ、完全手作業の世界にただただ浸る。 隣にも部屋が続いている ミニチュアの編み物とメガネ ミニチュアの中のミニチュア 展示しきれない数のミニチュアルームがあるので、時々展示を入れ替えるらしい。今はちょっとクリスマスっぽいものがいくつかある。興奮して2時間以上かけて見た。かなり人気のある展示らしく、人は多い。でも、私たちほど興奮しながら長い間見ていた人はいなかった。 ミニチュアルームの図録はミュージアムショップに売っているが、限りなく本物に忠実に作られたものを接写で撮影してある図録は、残念ながらミニチュアに見えず、ただの部屋に見えた。いつか買うかもしれないけど、今回はパス。 2日目は一人で、再びミニチュアルームへ。本当に細かいので、何度見ても飽きない。ちなみに、ミニチュアルームに訪問する人は圧倒的に女と子供が多い。同伴の男の人もたまに見かけるけど、ミニチュアだとウンチクをたれる人も少なく、「ちっちゃーい!」「こまかーい!」と感動のボキャブラリーは非常に限られており、心おだやかに鑑賞できる。 誰がこれを作っているのかを見たい人はこちらをどうぞ。 http://www.cbsnews.com/common/video/cbsnews_video.swf もしシカゴに生まれ育っていたら、この人に弟子入りするか、ミニチュアルームの掃除係になっていたにちがいないとすら思った。 意外にも心を奪われたのは、ガラス製のペーパーウェイトの展示だった。これも両日ともじっくり見たね。

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