仕事用のウェブサイト作りました

https://kyokonitta.com/ 仕事用のウェブサイトを作った。なくてもいいような気がするけど、あったほうがいいよな、と思うことが去年何回かあったので。 今までは仕事関係の人にもこのブログを公開していた。普段の文章を見てもらうとか、興味の範囲を知ってもらうとか、暇さえあれば文章を書いているぐらいに書くことが好きとか、普段顔を合わせないから人柄も、伝わるかなと思って…… 確かに、効果はあって、顔を合わせたときに「ふっふっふっ」と笑われたことはある。 で、ウェブサイト作成の話。まずはウェブ作成サイトを決めるところから。wix、squrespaceなどなどいろんなものを見て、結局WordPressに落ち着いた。世の中の約3分の1のウェブサイトはWordPressを使って作られているとウィキベディアに書いてあり、軽く驚いた。 次はドメイン名。自分の名前にするか、別のものにするかで悩み、自分の腕ひとつで個人事業をやっている人たちに聞いてみると、「自分の名前にしたほうがいい」という意見が多かった。まあ、たとえビジネス名を作るにしても、おそらくその名前を考えるのに悩んだだろうし、商談に入るときに「なんでこのビジネス名を選んだんですか?」みたいな余計な話をしたくないというのもあったし。 で、その次はテンプレート。目的が単純なのでテンプレートもシンプルに。Eコマースしないしね。で、翻訳以外に、業界の人向けに本を読み書評を書く仕事もしているので、まあ、このサイトでおすすめする本はアマゾンアフィリエイトにしちゃおう、と。英語の書籍もいろいろ読んでますよ、とアピールするため、Goodreadsのウィジェットも付け足した。いちいちリストするのも面倒だったので。でもこれって、ランダムにぐるぐる回ってくれないのね…… トランプ本の「Fire and Fury」がトップのまんま……  これを作っている最中、Shopifyのサイトを作っている友達が、「いじりすぎて完璧主義になってきて、おまけに自意識過剰になって、一向に公開できない…」と毎月サイトの運営費を無駄遣いしているとぼやいていた。その頃、私も WordPressに無駄にお金を払っていた…… サイトを作る事自体は難しくはないのだけど、いじりだすとなかなか表に出せなくなってしまう。 実は、このサイトはしばらく前からインターネットという「大海原」に出ているけど、「一滴の水」にしかすぎないので、まだ誰からもアクセスがない。 というわけで、ちらっと見てくれるとうれしいです。

David Sedaris

David Sedaris が新刊を出し、ブックツアーの一環でトロントにもきた。 彼はアメリカの公営ラジオから出てきた人で、今でもラジオにはよく出演する。ラジオ向きの声をしている。その頃から彼の話が好きだった。やっと本人に間近で会える! とオシャレして行ったら、場所を間違えていた。てっきりダウンタウンのヨークビルの本屋でサイン会をやると思っていたら、郊外の高級モールの中、ヨークデールだった。間に合ったけど。 David Sedarisは今イギリスに住んでいる。強迫性障害の傾向があるらしく、いつも何か気になることがあると、それをずっとやり続ける人で、今は「道端のゴミ拾い」をやっている。晩御飯を食べた後、ゴミ袋とゴミバサミをもって、外でゴミを拾っている。 サイン会では、ニューヨーカーに掲載された東京が舞台の話を朗読してくれた。東京で姉妹と一緒に、恵比寿のKAPITALと、銀座のコムデギャルソンで、斬新すぎる洋服を買い物しまくる話。あんまりにも面白いので何回も読んだことがある! 日本人である私が聴衆にいるから、おまけにその日私がコムデギャルソンの服を着ていたから、その話を選んでくれたと勘違いするほどうれしかった。 で、サインが欲しくて本も買ったのだけど、David Sedaris はお客さん一人ひとりとゆっくり談笑しながらサイン会をするタイプの人で、本屋の閉店時間が近づいても私の番は回ってこなかった。普段から待つのが苦手な私は、我慢できるだけ我慢し、サインしてもらうときにはギャルソンの服とバオバオのカバンの話をしたいと思って、何を話すかも考えていたけど、我慢しきれなかった。途中で帰ってきてしまった。 でもいい。本人に会えただけで十分。朗読会で東京の話を読んでくれただけでもうれしい。 ニューヨーカーに掲載されたストーリーはこれ https://www.newyorker.com/magazine/2016/03/28/david-sedaris-shops-for-clothes-in-tokyo

Gospel According To André

ヴォーグの元エディターのドキュメンタリー。アンドレ・レオン・タリーは背が高いし声も大きいし、今はすごく太っているので、何もしなくても存在感がある。彼の存在感がすべてのドキュメンタリーでとてもよかった。この映画のプロモーションでアメリカでもカナダでもラジオでインタビューされているのを聞いたけど、声だけでこんなに存在感のある人もめずらしい。この太り方、喋り方、布をふんだんに使った服は、なんとなくマツコ・デラックスを思わせる。ラジオのインタビューではこのブワブワした巨大トーガのような洋服について突っ込まれていた。 「どうしてそういう服を着ることにしたんですか? やっぱり体重が関係していますか?」 「あたりまえよ!!!!!」と叫んでいました。 ラジオインタビューはこちら:https://www.npr.org/2018/05/31/615752676/for-vogue-titan-andr-leon-talley-fashion-was-a-gateway-to-the-world 個人的には、ノースキャロライナの美しい森が出てくるのが、とてもなつかしかった。デザイナーのノーマ・カマリが出てきたのもツボだった。はるか昔、好きだった男の人に彼女がいて、その彼女がノーマ・カマリの服を着ていていたのを見て以来、トラウマになっているのだった。 美しいもの(と自分が思っているもの)に囲まれて現実逃避するっていうのはすごくよくわかる(アンドレは子供の頃、ヴォーグの写真を切り抜いて部屋中に貼っていたらしい)。私も、そういう気分に浸りたいときは、自分が集めているマトリョーシカやミニチュアをずらずら並べ、眺めている。

焚火の終わり

友達が貸してくれた。でもなぜ貸してもらったのか覚えていない…… 確かに宮本輝の作品について話していた。貸してくれたのには何か理由があったのに。 エロの描写は多かったが、今の私は田舎の家の改築のシーンに興味を持ってしまった。「枯れてきた」証拠なのだろうか… あと、頻繁に電話で連絡を取るシーンがあるのに、携帯以前の時代の話なので、留守で話が進まないことが多い。すぅっと行方をくらましたり、人と距離を置くのが比較的簡単だった時代の話。よく、時代小説で同心の手下みたいな人が江戸の町中を歩き回っているのに驚いたりするけど、そうやって昭和(あるいは平成の始めの頃)の小説は時代小説になるのかも。 上巻に「とある太めの女流作家で、どんなに高い着物を着ても、着物がよく見えない人が東京から祇園にやってくる」と京都の花街で噂されているシーンがあった。これって林真理子のことかな、と思わせる書き方だった。宮本輝、性格悪いぞ!と思ってしまった。まあ、創作なので好きなように書けばいいと思うけど。 京都、関西、というか西日本の香りがムンムン漂う小説だった。 すごくどうでもいいことだが、学生時代にアルバイトをしていたホテルのバーに宮本輝はよく来ていた。一度見かけたことがある。思えばあの頃は彼の絶頂期だった。

The Treasure of Sierra Madre

邦題は『黄金』 初めて見たけど、想像以上によかった。欲に目がくらんで、男たちが豹変していくのが面白い。貪欲さの果てが、浦島太郎的なオチなのも幻想的。この映画の舞台はアメリカ西海岸だとずっと勘違いしていた。メキシコだった。Sierra Madre はメキシコの山脈。 ハンフリー・ボガードと、ジョン・ヒューストンのお父さんが共演している。このお父さんが入れ歯なしで演技していたので、彼の英語が聞きづらかった。雰囲気は伝わったけど。3人目の若い男優もよかった。「あの人誰?」と聞くと「あの人、あまり長生きしなかったのよ」などとすぐに教えてくれる。知りたいことは教えてくれるけど、レクチャーはしないのが、白黒映画仲間のよいところ。 仲間にだいぶ慣れてきて、きわどい会話もできるようになった。親しくしている人には高齢者もいて、スケジュール帳に次の映画上映日を書き込んでいるけど、記入する月を間違えていたりするので、仲間の誰かが手帳を書き直してあげたりする。 「名画座」みたいなところで見たのもよかった。いつまでたっても映画始まらないので不思議に思っていたら、「ごめんよぉ、上映時間を間違って掲示しちゃったのさ」と… TCM があれば家でいくらでもこういう白黒映画は見られるだろうに、平日の夜にも劇場に足を運ぶ人が多かった。まあ、私は素敵な劇場に座って映画見ていると豊かな気持ちになれるタイプだから、楽しかった。

Dinner at 8

松竹新喜劇みたいで、食事会開催が危ぶまれるほどドタバタドタバタしておきながら、結局定刻8時にディナーが始まる、というオチで終わる。 ジーン・ハーロウが妖艶で可愛く、上品さのかけらもない地で演技している感じもよかった。ドリュー・バリモアのおじいちゃんも出演している。 Pre-Code 映画といって、アメリカ映画界で、エッチなシーンやタブーな恋愛なんかを映画に盛り込んではダメというルールが設けられる前に制作された映画だけど、現代の目線で見ると、どこがふしだらなのか、あまりわからない。上映前に当時のファッションを語ってくれるトークもあり、映画の中の衣装を見ているだけでも楽しかった。が、映画は2時間近い。途中あちこちともっと短く編集してくれたらいいのに!と思った。 トークで靴が話題に上った。1930年代(?)の女性の間で、どんな洋服にも合うからという理由で、ゴールドとシルバーのコンビの靴が重宝がられて流行っていたらしい。実は、私もキメファッションのときはゴールドとシルバーのコンビ靴を履く。まさに、何にでも合う=一足で済む、という理由で。 後で白黒映画の仲間と映画について話し合った。嗅ぎ塩の話が出てきたけど、昔のこととなると、仲間の高齢者が威力を発揮して教えてくれる。さらに、ロイヤルウェディングについて総括的な会話をして帰ってきた。ロイヤルウェディングのことを「何だよ、あんなもの!」と好意的でない人でもしっかり見ていた。私はネットフリックスのドラマ『The Crown』が好きで、現実のイギリス皇室とドラマの世界を混同しているので、「ハリーとミーガンは絶対に別れない!」と主張。

噂の女

奥田英朗の作品はかねがね読みたいと思っていたら、偶然、人が貸してくれました。うれしい! 作者が岐阜市の人なので、会話があの辺の方言で書かれていることや、地方の人間関係のドロドロ感に現実味がある。現実味なんてものでは済まされない箇所もかなりあった(ここには書けないぐらいに)。 都会の大学に出て、Uターン就職したときに味わう「都会でつけた知恵」と「地元の昔からの物事の進め方」の対比もよかったな。スケールが違うけど、この辺のノリは『おとなしすぎるアメリカ人』に似ていた。机上で学んだ理想を掲げた人が、土着の人間関係を無視して何かやらかしているうちに、背中からグサリ、みたいなところが…… 美人局ついていろいろと学んだ。男が女をそうさせるというよりは、女のほうが自ら進んでその道を極めて黒幕にのしあがるのは説得力がある。#MeTooがレストランを匿名でこき下ろすことができるYelpだとしたら、こっちの美人局は保健所のトップを動かしてレストランを廃業に持っていくみたいなかんじ。 「わかめ酒」なるものを知ったのも、この本…… 本と関係ないけど、ブルートゥースのスピーカーが壊れた。突然異常な饒舌になり、接続していたデバイスを勝手に接続解除しては、「接続解除しました」「デバイスにつなげろ」と電源を切るまで同じことを何度も指示してきた。この状況を製造者にメールしたら、返品のやり取りがすべてメールで、返品の発送の送り状もメールで送られてきて、結局UPSに行く以外、「店」に足を運ばずに済んだし、新しいスピーカーも送ってくれる。死人のように口を閉ざしたスピーカーを箱に入れるのは、棺桶に入れているみたいで、ちょっと怖かった。便利な世の中なのかどうか…… 悩ましい。

Sid and Nancy

退廃的な話だけど、昔のことだし、自分の稼いだ金で(?)ああなっていったのだし、昔のニューヨークの町並みも見られたし、ゲーリー・オールドマンの若い頃の姿が見られたし、歴史を見ている感じでよかった。 https://www.imdb.com/title/tt0091954/ セックス・ピストルズのメンバーが揉めたり荒れたりしている姿を銀幕越しに見ていて、自分があんなに何事にも怒っていた時代は遠い昔だな、と思ったのでした。 映画にこのシーンが出て来る。 ゲーリー・オールドマンは、去年、ウィンストン・チャーチルを演じていた人とは思えない。で、友達と話していると、「ユマ・サーマンと結婚してたよね、で、ユマはあの後にイーサン・ホークと結婚したんだっけ?」と疑問が投げれられ、「イーサン・ホークの後にゲーリー・オールドマンという順序はあり得ない」という総意が得られた。確かにゲーリーの次にイーサンという順序が事実なのだが、最初に大人な男と付き合って、次は友達、みたいなそういう流れが自然だということで意見が一致。 時代を作ってきた人が亡くなると神格化されることはよくあるけど、どれくらい神格化されるかはタイミングが重要だと思う。そういう意味ではシド・ヴィシャスは好条件が揃っていた。 やっとひと仕事から解放されたよう!! うれしくて仕方がない。けれども、当時に西城秀樹の訃報も飛び込み、私は外出先からしょぼんとして帰ってきた。ヒデキの身内でもないのに、いろんな人からメッセージもらった。ありがとう。

おとなしいアメリカ人/The Quiet American

この間ブッククラブで読んだ本。 男女の三角関係のようでありながら、青くて理想に燃えるアメリカと老獪なヨーロッパと、その間で翻弄されるベトナムにかけてある。でも実は、ベトナム人女性はそんなに翻弄などされていない。愛など信じていないし、自分を正式に妻にしてくれて、経済力もあって、将来性もあるほうを狙っている。そして、アメリカ人とイギリス人の男たちも、なんだかんだといって、自分たちが生きている時代に思い切り翻弄されているのは同じなのである。 なんたって1950年代の話なんだけれど、男女の駆け引きが女のほうもうまい。大人の男と女の匂いがムンムン。 当然、ブッククラブでは、この女性キャラクターが話題になった。ストーリーの中ではうっすらとした存在感しかなく、なにゆえ2人の男が奪い合っているのかは判然としない。「色がない(個性がない)」「振り回されすぎ」という意見から始まり、結局は「自分が何が欲しいかを前面に押し出して言わないけど、欲しいものは手に入れている。存在感がないようで、実はある」というところで落ち着いた。女ばかりのブッククラブなので女性キャラクターにはみなうるさい。 ストーリーに漲る「矛盾」もひとしきり話題になった。タイトルそのものが「矛盾」している。アメリカ人はステレオタイプ的に「おとなしく」ない。この本の中に出てくるベトナムのキリスト教と仏教と土着の精神が融合したような教会(お寺?)のシーンも「一体何の宗教なんや!」と西洋人には不思議である。結局は「矛盾に満ちた世の中に生きる矛盾だらけの人たち」の精神バランスのとり方が絶妙だから、古典作品というわけなのかも。 このブッククラブには20人ぐらい人が来て、いつも古典を読んでいるようである。そのほうが図書館で本を借りられ、安く上げたい人には都合がいい。 比較的短いからさっと読める。アメリカがドツボにハマる前のベトナム戦争初期の知識があったほうがいいに越したことはない。それは適当にウィキペディアで拾って、地図を見ながら読むと、もっと楽しめる。イギリス人男男性とベトナム人女性はフランス語ができるので、フランス語のフレーズも割りと頻繁に出てくるが、その辺は疎外感を味わいながら読むのもよし、多少の知恵を働かせれば意味もわかるので頭をひねるもよし、グーグル翻訳に頼むのもよし、である。 タイトル:おとなしいアメリカ人 (The Quiet American) 作者:グレアム・グリーン (Graham Greene)

Swarovski Birthday Cake

一日を好きなことから始めるか、片付けなければならないことから始めるか、嫌なことから始めるか、毎日悩む。 今日は好きなことから一日が始まった。集めているミニチュア(スワロフスキーのクリスタルメモリーズシリーズ)をあるカナダ人から買った(早朝に待ち合わせ)。 彼女のおばさんが集めていたけれど断捨離しなくてはならなくなり、代わりに売ってあげていたらしい。彼女自身はまったくこういうキラキラしたものには興味がなくどうでもいいので、結構お買い得だった。しかし、私がテンション上げて喜んでいるのを微笑ましく見てくれていたので、この人も何かのコレクターなんだろうなと思って聞いてみた。 「あなたは何を集めているの?」 「ディズニーグッズ」 と即答が返ってきた。さっきまでスワロフスキーに気を取られていて気が付かなかったが、彼女は結構いい年してるのに(大学生ぐらい?)「アリエル」のTシャツを着ていた。そっかー、そんなにディズニープリンセスが好きすぎて、卒業できないんだね…… と一瞬思ったが、それは向こうが言いたいセリフでもあろう。 家に帰り、ホコリを被って輝きをうしなっていたクリスタルを綿棒でお掃除し、至福の時で一日が始まった。