No Way Out

ケビン・コスナーが出てるやつじゃなくて、シドニー・ポワチエのほう。話も全然違う。なんたって1950年の映画だし、「病院唯一の黒人の医者」が主人公(ポワチエ)なので、差別発言が満載。

いやはや、もうちょっと単純な話なのかと思いきや、深かった。差別されるほうも理不尽なことばかり起きるからそうなんだけど、差別するほうも、誰にも愛されなくて、希望もなくて、社会的弱者を盲目的に毛嫌いし、自暴自棄になるから「No Way Out」

ポワチエに「(死なせてやるものか)生きろ」と言われるところが、厳しい。このセリフの直訳は「生きろ」だけど、励ますために言ったわけじゃない。最近、自殺とか道連れとかよくニュースで聞くから、なおのこと深読みしちゃったわ……

白黒映画じゃめったに黒人俳優にお目にかかれない。白黒映画を見るって「白人っぽい趣味」なんだなと思った。

ちなみに、ケビン・コスナーの『No Way Out』も好き。80年代っぽいから。

映画の後に、骨折中の女(私)、高齢者(女)、車椅子(男)三人で、アイスクリームを食べに行った。私以外の二人が「恋人が欲しい」と言い出し、どうやったら出会えるか、どうやったら同居を避けつつ(今更誰かと一緒に暮らすのは嫌とのこと)、長年寄り添える恋人と出会えるか、という話題に及んだ。一般目線で言うと立場的に不利だし、過去に痛手を負ったことも少なからずあるので、「自分からアタックすることなく」というのが大前提らしい。そこで、「恋人募集中オーラ」を最大限に出す方法はないか(ムンムンさせるのではなく、爽やかに)、策士のように頭を寄せ合って話したけど、別に妙案は浮かばなかった。

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