ドラマ版を見てから本を読み始めた。
ドラマの影響で、脳内で顔が上川達也だったり仲代達也だったりするが。
今「中国残留孤児」と言われてもピンと来ないほど、時間は流れている。藤原正彦だって、あのお母さんの体力が尽きてしまっていたら、逃げ遅れ、中国残留孤児になっていたかもしれない。それに、藤原家はソ連との国境ギリギリの開拓団村にいたわけではないので、幸運にも日本に戻れたのかもしれない。
ドラマとの一番の違いは、グロいことも本には容赦なく書いてあることかな。戦争(中国の内戦も含めて)の凄惨さ、文化大革命の愚弄さ、日本人孤児へのいじめや虐待のしつこさもそうだけど、中国の政争と、日本の経済界の力関係の描写もすごく緻密。だから全体的にグロい。当時の日中鉄鋼業界の裏話も、技術用語がいっぱいで読んでるうちにめまいがしそうだった。面白いけど。
日本鉄鋼業界のドン「稲村」の世代の日本人は、中国に対して申し訳ないという気持ちがあるって、この本に書いてある。山崎豊子自身も『大地の子』の執筆作業は日本人として贖罪の気持ちに突き動かされて書いたと言っていた。そういうことを今改めて考えてみると、戦後ものすごく時間が流れたと思うなぁ。中国はGDPではとっくに日本を追い抜いているし、アメリカを抜く日も来そうだし。
この本の国共内戦を書いた部分に盗作疑惑があったとネットで読んだので、「ここら辺のことかしら?」と読むのもちょっと楽しかった。ちょうど、百田尚樹のウィキペディアからのコピペ疑惑が騒がれていたし。ところでウィキからのコピペは盗作にはならないの?(素朴な疑問)
『大地の子』はあと3と4が残ってる。長い。

