これも入院中に友達が持ってきてくれた。今年の芥川賞2作が載ってるので読んでみた。
なんか2つともどこかが似ている。「私小説」よりももっと「私」のことばっかり。主人公ではない人たちも自分のことしか考えてない。私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私私…… 「私」が分身術で増殖しちゃっているか、鏡の部屋に住んでいるか。ま、それが現代なのかもしれないが。周囲の描写もサーバールームだったり、ジムだったり、ホテルだったり、安アパートだったり、結構無機質なんだな。
あなたの人生にはあなたしかいない…? ひょっとして情緒が育たずに大人になっちゃった?(と登場人物に言ってしまいそう)。面白くなかったわけではないんだけど、閉塞感をみっちり味わった感じに近いかも。

