つい最近、転んだ。そしてちょっと大事になった。
ある食事会に行き、その反省会(飲みなおし)のため、パブに行った。ビールを一杯飲んだところで、そろそろ帰ろう、でもまずトイレに寄ってから、と思い立ち上がった。その店のトイレは2階にあり、客は2階には入れていないのでほぼ真っ暗なのだが、2階フロアに入るときにちょっと段差がある。「足元に注意」という注意書きもある。でもよく知っている店だったので過信した。
その日私はハイヒールを履いていた。
が、すべてが悪い方向に向かって、私は段差を踏み外して転倒。突然だったので手で防御する暇もなかった。22年前、コンクリートの道を歩いていて梱包用テープに足が絡まって倒れこんだことがあるが、あのときは打ち身だけで済んだ。あの頃は体も相当丈夫だったのだと思う。
誰もいない薄暗い2階の床に転がったまま、「ヘルプミー!ヘルプミー!」と叫んでいたが、誰も来ない。誰かが来ても、黒い服を着て暗い床に倒れているので人に踏まれる可能性が高い。ずるずると這いずって階段まで行くと、やっと連れや店の人が気づいてくれた。
店の人は慌てふためき、「大丈夫か!?」と声を掛け、それはそれは親切にタクシーを呼んでくれたり、タクシーに私を乗せたりするのを手伝ってくれたが、それも私が去るまでのこと…… もし、今後私が足を引きずりながら店に来たら、警戒するに違いない。
そして私は救急病院に運び込まれ、受け入れてもらった。
しかしレントゲンとCTを撮るまでに数時間が経過。そもそも私はトイレに行こうとして転倒したので、膀胱が限界に達していた。連れに介助されながらのトイレはまだまだ先だと思っていたら、その日は意外に早くやってきた。「見ないで見ないで!」の大騒ぎで終了。気持ちはすっかり、映画『バベル』のケイト・ブランシェットであった。
