TESLA

久々にウーバーの相乗りサービスを使った。相乗りだと途中でいろんな人が乗り降りするので目的地になかなか辿り着かないので、時間に余裕があるときしか使わない。でもこの日は時間に余裕があったので乗った。

たまたま助手席に乗ったところ、運転手がウルグアイ出身のおしゃべり好きな人だったので、40分の間にいろんなことを話した。サッカー、極真空手、ウルグアイの牛について話した後、交流電気方式を発明した二コラ・テスラにまで話題が及んだ。おじさんは結構博識だったのだ。

電気自動車会社の「テスラ」は、この二コラ・テスラにちなんでつけられているのは知っていた。それが、このウーバーのおじさんのおかげで、二コラ・テスラとトーマス・エジソンの確執とか、彼の変人ぶりとか、いろんな人に借金して赤貧の中死んでいったことはもちろん、直流と交流の違いまで教えてもらった。しかも、後部座席に座っていたお姉さんまでもが「その人、知ってる」と言い出し、みんなで遠出しているかのような錯覚。ところが、おじさんは最後の最後で、こう言った。

「ネットフリックスでドキュメンタリーを見たんだよ」

情報源はネットフリックスだったことが発覚。私も見よう。

おじさんに教わったのはそれだけではない。私はやったことはないけど、ウーバーに乗ってくるお客さんの中に、「ちょっとコーヒーが買いたいから止まって」と言う人が結構いて、ウーバーは途中停車してくれるのだ(運転手によるのだと思うが)。一応運転手の商売の邪魔をしているわけなので、暗黙のルールで、だいたいのお客さんは運転手の分のコーヒーもおごってあげるとか、1ドルチップを渡すなどするのだそうだ。でも、そうしない人もいて、なかなか戻ってこない人なんかもいて、トラブルの元になるらしい。

そもそもおじさんと話しを始めたきっかけは、私が「ウーバーとリフトとどっちが運転手の実入りがいいの?」と聞いたからだった。おじさんは得意げに「僕はどっちもやってるよ!」とリフトのステッカーをひらひらと見せてきた。どちらが運転手の手取りが多いのか、おじさんは「気にして比べたこともないから、同じぐらいじゃないの?」ということだった。

ほんの数年前は、ウーバーとタクシー会社が戦い、市民の中にも「やだー!怖い」と怖がっている人がいたのが嘘のよう。この間、ウーバーを締め出した街に行ったが、ウーバーではない、もっと小さなライドシェアサービスが普通に存在していた。良くも悪くも、先陣を切っていくというのは大変なことだな。

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