歌舞伎三昧(?)

日本に行っていました。

海老蔵の新春歌舞伎を見たかったのですが、全日全席完売だったので、国立劇場と歌舞伎座で尾上菊五郎と松本幸四郎を見てきました。1月後半の昼席のせいか空席が目立ち、「みんな海老蔵に行ってるんだなぁ…」と思わずにはいられませんでした。

人それぞれに好みがあるのだと思いますが、歌舞伎一年生の私には「枯れた芸」というのがまだわからず、荒々しい派手な海老蔵の歌舞伎が一番好きで、うたた寝すらしたことがありません。実は、他では(演目によっては)うたた寝してしまうのですよ。

私はいろいろ下調べしてから何かを見るタイプではなく、少し見てからそれが好きなら知識をつける派。役者の声と顔と、ものすごい舞台装置を満喫したいので、解説テープも聞かないのですが、これから知識を仕込んでいくうちに、今感じていることとは別のことを言い出すかもしれません。

今回、尾上菊五郎の投げた手拭いをキャッチするという幸運に恵まれました。若手役者は手首のスナップを効かせ、遠くまで手拭いを投げるのですが(お客さんに名前と顔をよく知ってもらいたいから遠くまで投げるのか?)、さすが菊五郎となると、もはや、そのような努力をする必要がありません。私は9列目のど真ん中という、花道もよーく見える最高の席に座っていましたが、菊五郎はそこまでも手拭いを投げてはくれません。そこで、「ここまで投げて!」とそろっと両手を挙げてみたら、偶然かもしれませんが、本当に投げてくれたのです。

が!

微妙に届かず、「嗚呼…」と残念がっていたら、前の方の席の人が取り損ねたどころか、逆にバシっと弾いてしまい、まさかの中継パスで私の膝に手拭いが落ちてきたのでした。

わーい!

菊之助や寺島しのぶの子供たちも出ていて、DA PUMPのU.S.A.の歌舞伎バージョンも見せてくれて、楽しませてもらいましたが、やっぱり勸玄君が見たかった…と思ってしまったのでした。何なのでしょうね、大事なお父さん(團十郎)や真央ちゃんを亡くした海老蔵と勸玄君を見守りたいんですかね?

タッキーが引退したので、滝沢歌舞伎を一度見たいと思っていたのに見られなくなる、と思い込んでいたのですが、どうやら、彼は出なくても滝沢歌舞伎は続くようですね。すごく見たいです。100年後ぐらいには高尚化されて、伝統芸能に上り詰めていてほしいものです。

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