「VICE」だけで画像検索すると、それとちゃうで、という結果も含まれるが、私はこのタイトルが好きである。副大統領、副社長、など「副」とつくものの虎視眈々とした感じが、単語の短さで言い表されている感じがいい。
元アメリカ副大統領のディック・チェイニーのお話。クリスチャン・ベイルが激太りしてチェイニー役を演じているけど、キャスト全員「そっくりさん」のオンパレード。ワタシ的に一番をあげたいのはサム・ロックウェルのジョージ・W・ブッシュ。でもラムズフィールドもチェイニー家の人もそっくり。日本のものまね芸人もびっくりするくらい、よく特徴を掴んでいる。ま、特殊メイクとか衣装の選択のおかげもあるけど。コンドリーザ・ライスのキョドった感じとか笑ってしまった。
あらすじは、至ってハウス・オブ・カードちっくで、支配への欲望に突き動かされた人間ってすごいな、と思ってしまう。
当然、9・11や大量殺戮兵器があるとかないとか、イラク侵攻へ踏切るシーンがバンバン出てくるので、「もうあの時代は思い出したくもない」と記憶を封印している人には、観るのもつらい映画かもしれない。それに、ああいう危機的状況での大統領の権限の法的解釈についても触れているので、ちょっと怖い。
まあ、ジョージ・W・ブッシュが二期務めたのだから、トランプもありかもしれないと心配している人には、「副大統領を見ろ!」という警告なのかも(?)

