あけましておめでとうございます。
お正月らしいことは何もせず、仕事で籠もりきり、ひたすら机に向かっていた。SNSに上げられるおせち料理やお雑煮の写真を見ながら、大昔のお雑煮の悲劇を思い出した。
昔々、日系アメリカ人のお年を召した人の家で年始を迎え、「ねえ、お雑煮作って。家庭ごとに違うんでしょ」とせがまれ、私は困っていた。まともな料理をしたことがなかった私は、タダで泊まらせてもらっているのだからお礼をしなければ! と奮い立った。スマホどころか、インターネットに接続したってオンラインにレシピなどほぼない頃の話なのだ。
味噌汁なのかすまし汁なのか、よくわからないスープを作り(まあまあ飲めた)、人参と大根を入れ、お餅も入れた。日系アメリカ人のおばさんは、私の調理法から何かを学ぼうと、背中越しに私の一挙手一投足を見つめている….
背後からのプレッシャーに耐えかね、「彩りが悪いのを何とかせねば」と思い、何を思ったかパセリのみじん切りを投入。私はパセリのみじん切りのパワフルさを過小評価していた。
友人のお弁当に入っていた子持ちししゃもを見て、「あなたのお母さんはすごくお料理が上手」と褒めるなど、こと料理に関して私は非常識だったが、この「お雑煮事件」は、私の食に関する常識の欠落に歯止めを打ったのであった。
結局、「家庭ごとに味が違うって、本当ね」と、クソ不味いお雑煮を無理に食べさせる結果になり、申し訳なく思った。一人前の大人として、ある程度は料理は学ばねば、と思った瞬間だった。
新年の抱負は料理の腕を上げること、ではない。
2015年からぼちぼちとやっていることを終わらせるのが、私の新年の抱負だ!

