It’s a Wonderful Life

邦題は「素晴らしき哉、人生!」

見たことなかった。毎年そうなのかもしれないけど、今年は(も?)クリスマス前にトロントの映画館のあちこちで上映されている。平日に見たのに人でいっぱいだった。いかにもクリスマスな話でありながら、自殺に駆られる話でもあって、そういうホリデーシーズン特有の「鬱」がまたまたクリスマスチックだった。でもハッピーエンドだし、ちょっぴり心清まる内容でもある。

「何回見てもいいわ」とか「また泣いちゃった」とか「画面見てなくて音声だけでも泣ける」とか言っている人が多かったが、これが白黒映画の仲間のよいところ。そもそも何度も上映されていてTCMがあればタダで見られる映画をわざわざ映画館で仲間と見て喜ぶ、という価値観(だけ)で結ばれている。

最近気づいたが、このグループのメンバーは、激しい人見知りとか、年寄りとか、非モテとか、極端なインドア派など、社会的弱者っぽい人がほとんどである。お金持ちでモテモテでブイブイ言わしている人など、このグループにはいなさそうである。

映画とは関係ないけど、駅の改札を通り抜けようとしていたら、財布から小銭を出して地下鉄代を払っているおばあさんがいた。そのおばあさんは、財布を閉めるのを忘れたらしく、財布からものすごい数の小銭をバラバラバラバラバラバラと落としていた。あまりの数に周囲がきらめくほどだった。なのに、本人は気づかず通り過ぎていく。見かねた私は、とりあえず拾える分を拾って、おばあさんを追いかけて渡したのだけど、おばあさんは「え?私が落としたの?マジで?」と半信半疑だった。ちなみに、私以外にインド系っぽい若造がいて、おばあさんの傍若無人的な小銭の落とし方にオロオロするばかりで役立たずだった(ひょっとしたら、お金を拾ってあげたいけど極度の潔癖症で拾えない可能性もあるが)。

で、元の場所に戻って、拾えきれなかった小銭をまた拾い(まだインド人の若造はそこにいてオロオロしていた)、それを「歳末の助け合い運動」で鈴をシャンシャン鳴らしているおじさんの募金箱に入れた。

おじさんは夕方七時には募金箱を閉める予定だったらしく、

「おう!ギリギリセーフだな!メリークリスマス!」

と言ってシャンシャン鈴を鳴らしてくれた。

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