最近読んだ本

『苔のむすまで』

杉本博司の写真は大好きで、写真集を何冊か持っていた(が引越のたびに紛失したか人に譲った)。彼の文章がこんなにもすばらしいとは知らなかった。レベルは違うけれど、私も古いものは集めるのも好きだ。この間日本に帰ったときに、親戚の家の裏に澄んだ小川が流れていて(しかも流れが速い)、どうして小川があるのかと聞いたら、「先祖が材木屋だったから」という返事だった。近くの大きな川から水路を自宅まで引いてきたのが今も残っているのだそうで。つい、そういうことに感動してしまう。

『ミナを着て旅に出よう』

半年に一度のセールをしたくない、という皆川明の意見に賛成。そういうことをしないブランドはあったほうがいいと思う。セールでないとなかなか買えない値段ではあるが。姪っ子はミナの端切れでスカートをいっぱい作ってもらったのに、「可愛くない」とか言っているらしい。3歳半にはまだ良さがわからない。

『薔薇いろのメランコリヤ』

いやもう、「ばら」や「バラ」でなく「薔薇」なのはわかるが、「色」ではなくて「いろ」、「メランコリー」とか「メランコリア」でもなく「メランコリヤ」なのはなぜだろう、とタイトルだけで疲れた。中身も疲れる内容だが、成功している人にくっつく人々の屈折した精神はよくわかる。だから、屈折した者どうしが惹かれ合うのもわかる。

わざとらしく糸切りバサミを写真に入れているのは、すごく気に入っているハサミなのに、小さいがために長い間紛失していたのを今日見つけたから。

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