ヴォーグの元エディターのドキュメンタリー。アンドレ・レオン・タリーは背が高いし声も大きいし、今はすごく太っているので、何もしなくても存在感がある。彼の存在感がすべてのドキュメンタリーでとてもよかった。この映画のプロモーションでアメリカでもカナダでもラジオでインタビューされているのを聞いたけど、声だけでこんなに存在感のある人もめずらしい。この太り方、喋り方、布をふんだんに使った服は、なんとなくマツコ・デラックスを思わせる。ラジオのインタビューではこのブワブワした巨大トーガのような洋服について突っ込まれていた。
「どうしてそういう服を着ることにしたんですか? やっぱり体重が関係していますか?」
「あたりまえよ!!!!!」と叫んでいました。
ラジオインタビューはこちら:https://www.npr.org/2018/05/31/615752676/for-vogue-titan-andr-leon-talley-fashion-was-a-gateway-to-the-world
個人的には、ノースキャロライナの美しい森が出てくるのが、とてもなつかしかった。デザイナーのノーマ・カマリが出てきたのもツボだった。はるか昔、好きだった男の人に彼女がいて、その彼女がノーマ・カマリの服を着ていていたのを見て以来、トラウマになっているのだった。
美しいもの(と自分が思っているもの)に囲まれて現実逃避するっていうのはすごくよくわかる(アンドレは子供の頃、ヴォーグの写真を切り抜いて部屋中に貼っていたらしい)。私も、そういう気分に浸りたいときは、自分が集めているマトリョーシカやミニチュアをずらずら並べ、眺めている。
