旅路

先に『流れる星は生きている』を読んで、その内容を忘れかけた頃にこっちを読んだ。藤原正彦の母、藤原ていの半生記だけど(どっちも)、北朝鮮から日本に帰国した後に彼女が選んだ女としての生き方も、こっちには書いてある。壮絶な体験をしたら後は楽、などということはなく、一生通していろいろ悩ましいことが次から次へと起きる。夫よりも稼いだ妻の立ち位置の難しさだとか、現代の女性にとっても悩ましいことが書かれているのが印象的だった。

青年期の藤原正彦の傍若無人ぶり(と言ったら失礼かな?)がちょこちょこ出てくるのも面白かった。

古本を買ったら、後ろにこんなハンコが押してあった。私もかつては自分の本に埴輪や猫のハンコを押していた。変なハンコが押してある本を見かけたら、それはきっと私の…… 

本の内容と関係ないけど、ブッククラブに行ってみた。「参加表明したら絶対来てね」的なプレッシャーを掛けられたし、白黒映画の仲間に「ブッククラブって、主催者の話をダラダラ聞かされるだけのとこもあるよ」と脅されたのであるが…

お題の本は半分しか読んでない状態で行ったけど、とても面白かった。女性限定のグループ。主催者は慣れているのかきっちりしてて、本について話し合いやすいようにいろんな質問を用意してあった。

仕事をしていても女の人は小説を読む人が多い。そして、小説についてあれこれ話し合うのが好き。「えー、私はそんなふうに読まなかったけど」と言われてカチンと来るような面倒くさい人もいなさそうで、初参加の私でも参戦できた。全部読み切ってきている人がほとんどなのもよかった。

発言内容から察するに「あ、この人、ウィキペディアしか読んでないな」という人もいた。何事に関してもウィキ的な話ししかしない人はいるもの。こういう人をウィキ的参加者とこれから呼ぼう。でも、人数多めだったので人の話しているのを聞いているだけでも全然オッケーだったし、また来月も行ってみたい。

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