「12 Angry Men」
ヘンリー・フォンダは別に好きでも嫌いでもない。この映画では正義感満々そうな役で、全体的に説教臭い話だったらいやだなと思っていたところ、老婆心の芽生える年にもなると、いろんなことが見えるようになり、結構堪能できた。
グループで見に行ったので、その後、パブになだれ込み、陪審員が男ばっかりなのに、あの部屋には「女子トイレがあった」と主張する人がいて大騒ぎになった。男子トイレのシーンはあったけど、女子トイレがあったかどうか私は覚えていない。この映画が製作された頃のアメリカには、女性陪審員は存在せず、いつから女は陪審員になれたのかは州によっていろいろ違うので揉めた。
こういうときデジタルネイティブ世代なら、さっさとスマホを出して検索するのだろうが、いかんせん、定年退職して○年、という人もいるメンバーではスマホがなかなか出てこなかった(そんな人もスマホは持っているけど)。
「To kill a mocking bird」
好きな映画なので何度か見ているけど、細部を忘れているので毎回新鮮。最後に登場する近所の「危ないお兄さん」は今で言うペドフィリアの傾向のある人ではなかろうか、と思って、それはそれでゾッとした。この映画が大好きだという人は多くて、「絶対にハリウッドにリメイクしてほしくない!」と言っている人もいる。私は、リメイクするなら、やっぱりこのペドフィリアのお兄さんをしっかり料理してもらいたいと思う。
どっちの映画も「法廷ドラマ」だけど、今の法廷ドラマと違ってペースがのんびりしてるよな。
最近モノクロ映画のグループに入った。新メンバーの私は、みんなに名前を忘れられ「ヨーコ・オノ」と呼ばれている。「人種プロファイリングだ!」と抗議したけど(冗談で)、「実はヨーコにはキョーコという娘がいるからいいのだ」と言われた。本名をちゃんと覚えているなら、本名で呼んでもらいたい。が、年寄り相手にこれ以上言っても仕方がないので放置してある。グループには若い子もいるけどね。
メンバーのひとりが車椅子に乗っていて、いつもTTCのWheel Transに乗ってやってくる(障害者用の公共交通サービス)。映画を見た後、ビールを一緒に飲み、またそれに乗って帰っていく。トロントのこういうサービスはいいなとよく思う。

