Kevin Spacey

ハーヴィー・ワインスタインのセクハラ事件の後、次々に過去のセクハラ被害を告発する人が後を絶たないし、魔女狩りっぽい報道がされるので面倒くさくなってきた。

ケビン・スペイシーに至っては、好きな俳優の中の一人なので、イライラ度が最高潮に達している。ネットフリックスが彼との契約を切ることを発表してからは複雑だ。でも『ハウス・オブ・カード』に関して言わせてもらうと、ドロドロしすぎてシーズン5でお腹いっぱいになったので、これを機会に終わればいいのにとは思う。告発者は14歳のときに被害にあったと言っている。30年とか40年も前の話、どうやって調査すんのさ。というか、告発した人は告発したことで満足して終わっている感じだけど。

14歳といえば、昭和の歌謡曲で「ざんげの値打ちもない」って曲がある… 映画「タクシードライバー」も… 14歳は法律上は未成年でも、お年頃。

ハリウッドのセクハラについては、モーリー・リングウォルドがニューヨーカーに寄稿した記事がいちばん共感できた。さすがだ! 要は、彼女には、しっかりとした両親がついていてくれて、ハラスメントが起きやすい業界にいる自覚もあったけれど、セクハラは避けられずに彼女の身にも降り掛かった。ところがハーヴィー・ワインスタインに関しては、彼が成功して権力を握る前に、彼女のほうが先に活躍していたから、力関係では彼女が上で、彼からのハラスメントは免れた、という内容。私が納得したのは、彼女が「ハリウッドを離れる選択もある」ことをちゃんと認めていること。

有名人への社会的制裁ってのは当然大きくなるとは思うけど、ハーヴィー・ワインスタインのように被害者の数も半端ないケースもあると思うけど、じゃあ、どれぐらい罪を償って代償を払えば、社会復帰できるの? 有名人相手なら、30年前や40年前のことでも告発すればメディアは反応するけど、普通のそこらへんのおっさんの場合はそうはいかない。

最近、セクハラではないけど、恋愛関係にあったゲイの一般人恋人に個人的な秘密を暴露されてBPのCEOを退いたイギリス人のおじさんの本を読んだ。というか、昔の恋人に恐喝まがいのことをされたわけ。セクハラする人を擁護するわけではないんだけど、一生かけて築いてきたものをこんなふうに壊されていいもんだろうか。ハーヴィー・ワインスタインはさておき、ケビン・スペイシーについては同情してしまう。「ベイビー・ドライバー」をこの事件が起きる前に見ておいて、本当によかった。

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