ミニチュアの旅に行ってきた。行き先はシカゴ美術館(Art Institute of Chicago)のミニチュアルーム。トロントからだと飛行機で90分ぐらい。
映画監督のウェス・アンダーソンが何年か前のラジオインタビューで、この美術館のミニチュアの話をしていたのを覚えていた。よくジオラマっぽい映画を作る人なので、その映画もすごく好きだし、彼の話をすごく信用して、いつかチャンスがあったら行きたいと願っていた。やっとチャンスは巡ってきた。
正味2日の滞在で、両日ともミニチュアルームに行った。1日目は、同じく小さなものが好きな友達と一緒に。その小ささ、その緻密さにびっくり仰天。小さな陶器の絵付けも手作業。絨毯も手織り。でも、部屋や調度品を縮小しているだけじゃない。天井も、床も、壁も、椅子のビロードの擦れ具合すら、すべて本物そっくり。そして、窓の景色、午前の日差し、昼下がりの太陽、灰がかった冬空、秋の長い影、夜景、そんなものまですべて再現してある。アメリカンルームとヨーロピアンルームがあって、アメリカ暮らしの長かった私たちは、「なるほど、これはニューヨークっぽい!」などとミニチュアの伝える雰囲気の忠実ぶりに感心しきっていた。
デジタルの世界から遠く離れ、完全手作業の世界にただただ浸る。
隣にも部屋が続いている
ミニチュアの編み物とメガネ
ミニチュアの中のミニチュア
展示しきれない数のミニチュアルームがあるので、時々展示を入れ替えるらしい。今はちょっとクリスマスっぽいものがいくつかある。興奮して2時間以上かけて見た。かなり人気のある展示らしく、人は多い。でも、私たちほど興奮しながら長い間見ていた人はいなかった。
ミニチュアルームの図録はミュージアムショップに売っているが、限りなく本物に忠実に作られたものを接写で撮影してある図録は、残念ながらミニチュアに見えず、ただの部屋に見えた。いつか買うかもしれないけど、今回はパス。
2日目は一人で、再びミニチュアルームへ。本当に細かいので、何度見ても飽きない。ちなみに、ミニチュアルームに訪問する人は圧倒的に女と子供が多い。同伴の男の人もたまに見かけるけど、ミニチュアだとウンチクをたれる人も少なく、「ちっちゃーい!」「こまかーい!」と感動のボキャブラリーは非常に限られており、心おだやかに鑑賞できる。
誰がこれを作っているのかを見たい人はこちらをどうぞ。
http://www.cbsnews.com/common/video/cbsnews_video.swf
もしシカゴに生まれ育っていたら、この人に弟子入りするか、ミニチュアルームの掃除係になっていたにちがいないとすら思った。
意外にも心を奪われたのは、ガラス製のペーパーウェイトの展示だった。これも両日ともじっくり見たね。

