トランプショック

イギリスのEU離脱が決まった時にえー!っと驚きはしましたが、今回のアメリカ大統領選の結果は、比にならないほどショックでした。結果が出た直後から、デモが始まったのは想定範囲内でも、今まで心に闇を持っていた白人たちが、有色人種とか外国語を話す人に意地悪をし始めたのを見て、すっかり落ち込んだ。昨日は、ジムに行ったほうが気分転換になるな、と思ったのですが、実際にジムに行く、という行動に出るまでに2時間以上かかった。何もしなくても涙が流れてきたり、まったく動けなくて、「これって冬季ウツなのかな」などと思ったほどでした。ま、それも1日だけでしたが。

だんだんと、新政権の閣僚候補の名前が報道され始めると、まあ、たぶんヒラリーに票を投じた人には「悪夢」に映る人々の名前がずらずらと出てきています。サラ・ペイリンの名前を見たときは、スマホを持ったままでんぐりがえってしまいそうでした。あのメンバーの中で唯一(?)法学部を出ているといえば、ジュリアーニ…… もしかして司法長官?…… と真っ青になっている人もいることでしょう。

個人的には、国際情勢とか経済よりも、社会的に保守化するのが心配です。最高裁判事で一人亡くなったのを受けて、その後釜をオバマは推薦したけど、議会で承認されていないので次政権に持ち越しです。トランプ自身はソーシャルリベラルらしいですが、副大統領を含め周囲はそうではないので、たとえば中絶みたいなことに関して一挙に保守的になるんじゃないかとか。そしたら、カナダに中絶お忍びツアーができるかも(想像ふくらましすぎですかね?)

トランプ当選してすぐに「Hillbilly Elegy」を買って読み始めました。トランプのサポーターに回った経済的に疲弊したところにいる白人たちの話です。読み始めて、最初はワナワナと怒りがこみ上げていました。アメリカ社会に途中から参加して一生懸命働いた自負のある移民なら、そういう移民たちを知っている人で、今回の選挙結果に不満を持っている人なら「おいこら!」な話です。

でも、ふと、自分の身の回りにある「トランプ的なもの」に気づきます。私の中にもある。たとえば、私の場合、同じ移民でも、メインストリーム社会に絶対に溶け込まない移民に対して。英語を勉強しようとしない人や、身体チェックを拒む人とか。移民である自分を受け入れてくれた国に税金を払わない人とか。カリフォルニアにいたときは、私は「イングリッシュ・オンリー」派でした(スペイン語を公用語にするかどうかというのがカリフォルニアで昔あった)。気持ちはわかるけど、英語を話さないとアメリカンドリームはありえない、という意見に与してた。

話がずれましたが「ちょっとそれは違うんじゃない?」と思う気持ち。「お金ないの…」「幾ら必要?」「うーん百万円」でハリセン食わらせたくなる気持ちって、ありますよね?

日本なら、外国人旅行者をありがたがりすぎて、「おもてなし」とか「お客様は神様」的な言葉で、いやな思いをさせられている人など、トランプ的なものを深く抱えているんじゃないですか。日本に行くたびに、指をきれいに揃えて脇を若干浮かせて直立不動だけど笑顔を振りまいて「おもてなし」をさせられている若い女の子たちを見るたびに、同情の念が絶えない。もうちょっと手抜きで気楽にしててくれたほうがいいけど、できない何かがあるんだろうな、でも、きっと毎日家に帰ったら、心の闇をどこかでぶつけてるんだろうな、とか。

もう、話がめちゃくちゃになっていくけど、私の場合、ストレス発散口が手芸とか手を動かして好きなものを作ることなのに、作り始める前からすっごくルールがあったり、「資格制度」になってたりすると、イラー!っとして、一気に反体制派になります。編み物に「ニット一級」とか、ミニチュアなのに「ミニチュア建築一級資格」とか(本当にあるかどうか知らないけど)。

何が言いたいのか全然よくわからなくなってきた。

「Hillbilly Elegy」翻訳したいです!
「Hillbilly Elegy」翻訳させて!

もうそれしか言いたいことはありません。

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