英語で読んだ。邦題は「遠い山並みの光」。
カズオ・イシグロの小説なので、いつものように「何が言いたいんだろうか」と思いながら読み、?????と取り残されたまま最後のページをめくり、あれはなんだったんだろうか、と考え続ける。で、そのわりには、じわじわと深く心を揺り動かされるのだった。
イシグロファンでなければ、「ナンじゃこれ?」
ファンであれば、「余計な説明は要らない!」
という話。
最後のほうの猫のシーンで緊張が走り、「これはイシグロさんの初期の作品だから、もっとはっきり決着つけてくれるのかな」と期待した私が愚かだった。でもなんとなく、アレなのかな?という察しはつけてある……
ちょっと怪談っぽいし、おどろおどろしているし、戦前戦後、前世と現世、日本と海外、Before & Afterとまたいでいるものが結構ある。
(ネタバレでは決してないと思うけど、これから読もうかなと思っている人がもしいたら、ここから先は読まないほうがいいかもしれない。でも1982年の小説だから、今頃読みたい人もそんなにいないだろうから書いてしまおう)
エツコはサチコじゃねえのか?
いやぁ、この小説もよかったな!
最近80年代のものばっか手につけてるな。

