骨折してから10日経過。事故翌々日から家人は長期出張。片手で一人暮らしが続いている。彼は家を出る時に、「左手骨折すんなよ」と禍々しい注意の言葉を残していった。
友達が何人か来てくれたし、家政婦さんにも来てもらったので、持ち直したものの、食事は助っ人さんが来てくれるまで大変だった。片手生活は老人生活のシミュレーションかもしれない、とすら思った。
とりあえず、片手生活において威力を発揮したものを書いておこう。
1.くるぶしまでの短いソックス。
この長さなら、かろうじて一人で、片手で履ける。
2.パチンコみたいなデンタルフロス
歯磨きが難関だし、普通のフロスは絶対に無理。
3.塩
はじめのうちは歯磨き粉がしぼり出せなかったので塩で代用。
4.ハンドヘルドタイプのシャワー
虫の知らせだったのか、最近このタイプのシャワーに変えたのだった。最近安いものが結構出てるよ。
5.食洗機
食洗機、小さめのほうがいいな。頑張ったら手で洗えるけど、洗っている間に何かを割って、二次災害が起きそう。
6.ライドシェアリング
より頻繁に使ったので、タクシーとの価格差がより鮮明に。病院に行くのに使ったけど、往復でウーバーが18ドル。タクシーだと30ドル。両方チップ込み。TTCはうっかりプリペイドカードが使えないバスとか地下鉄の駅に行ってしまうとハードルがすごく高くなる。
7.クロックス
紐の靴は途中で紐がゆるんだときに結び直しができない。
タッパー、回して開けるタイプのものはハードルが高い。びっちりと巻かれたラップも。
アイロンもできない。掃除機はハンディタイプは大活躍。できればコードレス。ダイソンのコードレスは今すぐにでも買いたい。あとスマホは、出歩いているときはハードル高いけど、家の中で机の上に置いてある時はパソコンより楽。現金が苦痛。クレジットカードはらくらく。
また病院に行った時、ギプスを3センチぐらい短く巻直してもらおうと、医者にごねてみた。
「どうして?」
「指が動くし、もう少しギプスが短ければ、編み物ができるかもしれない」
「そういうことして安静にしない人がいるから、ギプスは長く巻くんだよ」
と、結果は実らなかった。
病院で、40歳以上の女性の骨折の研究をしているから、被験者にならないかとスカウトされた。骨折なんてついてない、と思っていたので、同意書や研究内容を読んで、被験者になることにした。骨折してもタダでは起き上がらないという精神構造なのかも。
さっそくインタビューがあって、「これまで一度も骨折したことないから、骨には自信がある」と言った直後に骨密度の検査があり、結果は、平均を下回っていた。これまでラッキーだっただけかもしれない。
そして、今後十年で再び骨折する確率は20%と言われた。こ、これは低そうに聞こえるけど、下手な占いをしてもらったぐらいの気持ち…


