Que je t’aime

新しく届いたヒデキのCDセットの1枚はカバー曲集。その中で、これはヒデキにぴったり、だと思ったのは、ジョニー・アリディの「とどかぬ愛」。元曲もとっても懐メロだけど。二人はちょっと似ている。

CDに収録されているのはライブ録音。当時のヒデキファンがキャーキャー叫んでいるのが聞こえる。おそらく失神寸前の状態で。

このカバー曲を聞いて気付いたことが。

ヒデキは身悶えしながら「なぜに届かぬこの気持ち、この愛がっ!」と歌っているが、ファンにはヒデキの気持ちは十分すぎるほど届いている。なのに「届かない!」と歌い続けるヒデキに向かい、ファンは「わかってる!わかってる!あたしにはちゃんと届いている!」と叫び返すような構図。

既に知っていることを人に教えられるときの苛立ち。わかりきっていることを説教されるときの反抗心。二者の間に「絶壁」のような隔たりがあればあるほど、「そんなこと言われなくてもわかってる!」と、苛立ちも反抗心も巨大化する。それと同じで、ヒデキの場合も、「なんで俺の愛が届かない!」とヒデキが歌うと、ファンの「女としての切なさ」は筆舌に尽くしがたいほど、膨らんでいく。

ところで、この曲の前奏や間奏のパラパラパラパラと聞こえる音は、木枯らしに吹かれる、あるいは激しい雨に打たれるヒデキを彷彿させる。そんなヒデキが、愛が届かないと嘆き叫ぶんだから!絵柄的にはもう

これはもう、ヒデキのデキ(出来)レース…

別にこの曲だけじゃなくて、ヒデキの70年代の激しい曲はみんなそんな感じ。ヒデキが大人に成長していくと、そういうのは失われていく。日本がバブル期に突入していくというのもあるし、ヒデキのファンが結婚していく時期でもあったのかも。

元曲のほう

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