ヒデキの時間に「寺内貫太郎一家」を見ていて、やっと39話全部見終えた 。
私がヒデキファンになったのはごく最近のことだけど、実は長年の向田邦子ファン。「寺内貫太郎一家」は小説のほうで何度も繰り返し読んでいて、何度も同じところで泣いていた。
1974年に放映されたテレビドラマだからしょうがないけど、2016年の目線で見るととにかく男尊女卑で、寺内貫太郎にはありえないところ多すぎる。息子には大学浪人も許すのに、娘は大学も就職も許さない、とか。だから、ヒデキが演じる息子・周平の「ミニ貫太郎」ぶりにもありえないところがある。長男だから、父親の次に新聞を読むことができるとか。そういう時代だったということに尽きるけど。
男尊女卑でも、男のほうに人間的に大きな器があるから、最後には万事うまくまとまるというドラマではある。翻っていえば、男への期待が過剰であった時代でもあるね。一人で家族全員を養ってるから(それに職人さんも抱えてるし)大変よね。
そんでまあ、ヒデキだけども。
「寺内貫太郎一家」のヒデキは、後々の本人の言葉を考えてみると、かなり「素」のヒデキだったのではないかと思う。素直というか単純でストレートな役柄はヒデキそのもの。
74年といえば、ヒデキは売れっ子中の売れっ子だったので、ドラマでは大学浪人中のヒデキは、忙しくなると「受験合宿」という名目でしばらくドラマに姿を現さない。6週間ぐらい出てこないときがあって、そのときはさすがにいろんな苦策で逃げ切っているのが面白かった。有名な骨折は「寺内貫太郎一家2」で起きたらしいから、映画の撮影でもしてたのかな。
しかし、である。その「受験合宿」から帰ってきたヒデキが、ファンとしては本当にご無沙汰なシーンなのに、家族との夕食の席に着くなり「ブリブリブリ」とまさかのオナラを連発! ということをやらされていた。スーパーアイドルがですよ!? 百恵ちゃんが、いえ、三浦友和が「赤いシリーズ」で屁をこいたことがありまして?
しかもですね、そのとき、おばあさん役の樹木希林に「このニオイは、お豆だね。お前、合宿で豆ばっかり食ってたのかい?」と言われていた。それに対して、ヒデキは「違うよ、合宿って先輩がいるだろ、気ィつかちゃってさぁ。オナラもできなかったんだよ」と答えた。
その他にも、番組中、ヒデキは樹木希林に「お前、キンタマちゃんとついてるのかい?」と何度も股間を触られている。樹木希林にせがまれてジュリーのモノマネをしているシーンもあった。
当時の超売れっ子アイドルは「うんこなんかしません」という虚像を売っていたと聞いていたのに…… ますますヒデキファンになっちゃったわん。
寺内家の朝の食事シーンで「オレは梅干も海苔も大好きだぜ」とヒデキが声を張り上げて飯を食っていた。その一言が心に響いた。

