自分の読書レパートリーってのは中々広がらないけど、人から「これ、面白いよ」と勧められて、頂いた本。面白かった!
ゴールデントライアングルの話(だからアヘンの話も当然)で、95年ごろの取材だから今は変わってしまったらしいけど。意識が高いジャーナリストというかんじではなくて、一緒に地元の人たちと山間でケシ栽培するという話が基本。でも結果的にゴールデントライアングルの政治事情を色々と知ってしまう。
ビルマと呼ぶか、ミャンマーと呼ぶかについては、私も頭を悩ませたことがある。ビルマのとある団体が書いた文書を和訳したときに、依頼主から「ミャンマーって書かないで」と言われたので。別に、依頼主にそう言われたのだから、私が頭を悩ませることはなかったんだけど、そう言われていることを知らない人に、「この翻訳者、バカじゃないの?今はミャンマーって呼ぶのに」と思われたりしないだろうかとか、そこだけが注目されて、内容をしっかり読んでもらえないのではないかと、余計な心配をしただけだけど。ちなみに、高野さんの説明によると、「どっちでもいい」ということなのだそう。
その後、この本の作者の高野さんが、ソマリランドの本で有名になった。少し前に流れていた「すしざんまいの社長がソマリアの海賊を一人で撲滅」みたいな記事がネットで流れていた時に、ちょっと盛り過ぎのような気がするけどどうなのかしら、と思っていたところ、高野さんが「一人で撲滅」はありえない、と冷静に説明していたので、ちょっとうれしかった。

