『池上彰の憲法入門』
とても読みやすかったし、頭に入ってきた(もう出て行ったけど)。
教授がらみの交友関係だと、よく、外国の憲法の話とか、外国の司法制度の違いを比べたりとかするような話がお酒の席で出てくる。基本、そういう状況になると、理解できる範囲の話なら話を聞くことは好きだけど、「日本の場合はどうなの?と私に聞かないで」オーラを全方位に発しながら同席している。かなりの苦行である。
先日まさにそういう状況が発生。ネタは「報道の中立性」だった。最近、アメリカでのメディア所有規制緩和の話をどこかで読んだところだったので、これなら話せる!と思った。でも、いざ話そうとすると「なんかルパート・マードックがいろいろと関係してるのよ」とそれしか思い出せなかったので、その場が「ふぅん……」となって、結局マードックの再婚話で終わってしまった。
ま、何が言いたいかというと、こういう本を読んだ直後に、あーだこーだ内容を人に話せば、もっと頭に入るはずだけど、読んでから時間が経つと結構忘れてしまう。
『マツ☆キヨ』
東日本大震災直後の日本人の狼狽ぶり、ボランティア熱、(被災者への)差別について、アウトサイダーとして斬り込んでいるところは興味深かったし、共感した。私もあの震災をきっかけにニットのチャリティ始めたから、チャリティとか寄付について、いろいろと自分で考えもしたし、人から言われてから考えたこともあるから、深く頷くところもあった。
考えを行動に移すときに、思考と行動の間にそこそこ齟齬が生じるのは仕方がないけど、それを批判されても、反省、反論、微調整する心づもりがあればいいけど、世の中には攻撃性の強い人もいるし、無反応や無視というもっと恐ろしいこともあるから、自分の中である程度決着をつけておく必要はあるよね。
でもこの本の後半のほうはちょっとダラダラしてた。短くてもいいから、切れのいいところで切っておけばいいのに、と不満だった。


