週末の読書

『やがて消えゆく我が身なら』

池田清彦の言いたい放題の話。

ランド・ポールみたいなこと言う、と思っていたら、自分で「世間ではリバタリアンと呼ばれている」と書いていた。放言だけど理由も説明しているし読んでいて気持ちがすっきり。最終的に同意するかどうかは別として。

別にドンピシャなネタは書いてはなかったけど、私は次のようなことに疑問を感じる。自然をこよなく愛し、環境保護を真剣に考えていると自己宣言している知人が、自然の中で暮らしたいからと、木を切り倒し山肌を傷つけて別荘を建てて喜んでいた。蚊がブンブン飛んでいるようなところに突入するのは大嫌いな私は、その別荘に行きたくないので、嫌がっていたところ、「自然にも環境保護にも興味なし」みたいなカテゴリに入れられた。私は生まれてから自らの手で木を何本も切り倒したことはなく、山肌を削ったこともなく、別荘に通うためにガソリンを燃やすこともなく、むしろ私のほうが環境保護に貢献しているのではないか?と悶々としていたところ、池田清彦がバサリとやっつけてくれるようなことを言っていたので、嬉しかった。

『秋田さんの卵』

「秋田産の卵」じゃないからね。そっちより「ボギー、愛しているか」のほうを読もうと思って買った。なぜかというと、生きる方向性を見失った中年男ふたりが車を飛ばして三重県南部にある売春島へ行く話で、その島をモデルにした話を英訳したことがあるから。ところが、「生きる方向性を見失った中年男」の話は中年女である私は現実の話としてよく耳にするし、その犠牲になっている女性のほうが気の毒としか思えないような話が多いので、まったく共感できない上に、「オイオイ!」という怒りしか感じなかったし、非常に貧乏臭さが漂っていてイヤだった。お金がなくって貧乏なのと、貧乏臭いのとは別だしな。あ、しみったれている、というほうがいいのかな。

伊藤たかみって、角田光代の元ダンナさんなんだ……

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