カズオ・イシグロの新作読んだ。いつにも増して「一体何のことを書いているのかよくわからない」状態が続いた。そしていつもなら読み続けていくうちに最後のほうで「嗚呼そういうことだったのか!」と腑に落ちるのに、そういうのも一切ないまま、最後の一文を読んで本が終わってしまった。
何のことなのかさっぱりわからないけど、壮大な物語で、とても面白い。深い静かな感動すら覚えた。ムーミン谷のムーミン族が一体何なのかさっぱりわからぬまま、ムーミンファンになってしまっているのと同じぐらいの不思議さだった。若者向けの話じゃないけどね。酸いも甘いも知っている大人の話。いや、シニア向けの指輪物語…?
英語で読んだけど、古語的表現が多くて読みづらいけど、別にややこしい話ではない。
もう和訳も出てる。いつもの土屋政雄訳で。好きだわ。この訳本は読んでないけど。

