クーデンホーフ光子尽くし。
本人の手記のほうが、何かと時代を色濃く反映しているので、読みづらい箇所や繰り返しが多かったけれど面白かった。明治時代に世界半周の大旅行をした「旅行記」の部分が特に秀逸。土着の人たちの顔をひどい顔をしているだとか書いていたり、今は絶滅危惧種の動物を狩りに出掛けたりとかしちゃっているので。
伝記のほうも、男性が女性について1976年以前に書いているので、これも別の意味で時代を色濃く反映している。こちらのほうも、現代のものさしで読んでしまうと、なにやら著者に対して、「オイオイ!」と思ってしまう。光子の生きた時代背景の情報量が多い。光子のことより、オーストリア=ハンガリー帝国末期の話が面白かったりする。
本に「涼感」なんて求めるのが間違ってるとは思うけど、この本に涼感はなかったな (クソ暑かったので…)。

