つらつらと読書

ロンドンでは日本人と話をするのは幼馴染との再会を除けば皆無だったので、仕事以外の読みものは英語だけだった。「日本に行ったら日本語の本を読もう」と思っていたところ、滞在先が学生街なため、古本屋が多くてラッキー。読むスピードより、買うスピードのほうが速いけど。


昨年亡くなった大内順子さんの本。上から目線ではないし、私のように自由業を営む者には響く言葉が多い。特に仕事で先手を打つときや仕事に直結しなさそうなものに触れるとき、ついケチるというか瀬踏みしてしまうけれど、投資を先行させる以外に他に何にも打つ手などないときに、そっと背中を押してくれるような言葉がありがたい。


『ネット右翼の矛盾』はFBフレンドにもらった本。三人の寄稿者のうち安田浩一が面白かった。別のところでも彼が同じようなネタについて書いているのを読んだけど。中川淳一郎は、一般人を代表する感情や言葉を書いている感じ。山本一郎がやや残念。

『新・戦争論』はオススメ。池上彰も佐藤優も論客として嫌いだという人にはお勧めしないけど。「戦争論」というのが勇ましく平和的には聞こえないけど、内容は過激ではない。こういう本は通時で世の中を理解し俯瞰するのに役立つからありがたい。まさにパリの出版社とユダヤ人経営の食料品襲撃事件の真っ最中にこの本を読んでいた。英語でニュースを読んでいれば常識として知っている情報もあった。佐藤優は宗教に詳しく、ロシアとイスラエル通。この本から知り得たことを教授に話して聞かせるのも楽しかった。特に王将の社長銃撃事件の真相(?)箇所。007級の話なのに、餃子のチェーン店というところが残念。これについては別本が出ているよね。読もうかな。


何度か薦められたので読んでみた、初めての森絵都の本。この話は私の大好きなアメリカのテレビ番組『Drop Dead Diva』によく似ている。魂が入れ替わって自分を見つめ直すというのがミソだけど、面白さと、アメリカの訴訟ネタが学べることと、少女マンガ仕立てという点で『Drop Dead Diva』に軍配。


加賀美幸子のエッセイ集。おこがましいけど、日々「ことば」について頭を悩ませるという共通点があるため、最近尊敬している人の一人。地味で勉強家なところが素敵。このエッセイはまあまあ。

新年の抱負というわけではないけど、1月のうちにできるだけ読書しておきたいかも。なんかおすすめありますか。

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