長逗留はあっという間だった。でもロンドンに辿り着くまでの移動も考えると、ものすごく長い間旅に出ていたような気もする。この三カ月で訪ねた土地…
ミラノ
ヴェローナ
ミュンヘン
パリ
ロンドン
ブライトン
オックスフォード
ブレッチリー
バース
セント・アイブス
マンチェスター
エセックス
カンタベリー
エディンバラ
どこもよかったけど、私が通った図書館とか、その道すがらにあるカフェや店が懐かしい。ものすごく嫌な思いや辛い体験をする前に、美しく楽しい思い出だけを持ち帰る感じ。
最終日は何をしよう。アメリカのブラックフライデーがロンドンにも浸透していてセールと重なっている。教授は何か買いたいものがあるらしいが、私はブラックフライデーがとても苦手なので、買い物客がいないところに行きたい。
ロンドンでザ・キンクスのミュージカルを観て以来、毎日毎日「ウォータルー・サンセット」を聴いていた。この街の真ん中で暮らしていると「どうしていつもこんなに人がいるんだろう」と思う。ニット・ナイトに行く道すがらウォータルー駅やウォータルー橋の周辺も何度も歩いた。それだからなのか、40年以上も前の古い曲なのに、その歌の情景は少しも古びていない。バンドにもこの曲にも特別な思いなどなかったのに、今なぜか心に染み入る。
そんなわけで引越の片付けを手早く済ませて、ウォータルー橋を歩いて渡りウォータルー駅へ散歩することに。買い物を終えた教授も合流。午後三時はロンドンでは夕暮前。テムズ河に架かる橋は美しいものが多い中、情緒なんてかかけらもないこの橋が今は私の一番のお気に入り。橋の真ん中で夕焼を眺めつつ、教授とヘッドフォンを半分こしてiPODで「ウォータルー・サンセット」を聴いた。
Dirty old river, must you keep rolling, flowing into the night
People so busy, make me feel dizzy, taxi light shines so bright
But I don’t, need no friends
As long as I gaze on Waterloo Sunset, I am in paradise
Every day I look at the world from my window
But chilly, chilly is the evening time, Waterloo sunset’s fine.
Terry meets Julie, Waterloo Station, every Friday night
But I am so lazy, don’t want to wander, I stay at home at night
But I don’t, feel afraid
As long as I gaze on Waterloo Sunset, I am in paradise
Every day I look at the world from my window
But chilly, chilly is the evening time, Waterloo sunset’s fine.
Millions of people swarming like flies ’round Waterloo underground
But Terry and Julie cross over the river where they feel safe and sound
And they don’t, need no friends
As long as they gaze on Waterloo Sunset, they are in paradise
Waterloo sunset’s fine.
思い出がいっぱいで胸が押しつぶされそう!
ケンカばっかしていたけど許してやるわ。
ウォータルー橋からの景色
ビッグベンやロンドンアイも見える
地下鉄のウォータルー駅
ウォータルー駅
橋を渡って、ウォータルー駅でお茶して、最後にやっぱりニット・ナイトで通った毛糸屋にもう一度立ち寄って、イギリス産ウールの毛糸を買った。これで帽子を作ろう。
友達になれそうな人たちにも出会ったし、また来ると思うし、それまでサヨナラ、ロンドン

