ロンドン日記 その26

イギリスの「パブ文化」がとても気に入った。

ロンドンはどうも朝が早いようで、夕方の5時にはパブは座れないぐらい人で溢れ、立ち飲みしながらおしゃべりしている。さすがに5時は私には早すぎたけど、10時前とかもっと遅い時間にほぼ毎日のようにどこかのパブに出掛けていた。仲間同士なら、一杯目は誰かの奢り、二杯目は別の人の奢り、と順番に奢っていくこともあって、いつもまでもおしゃべりは続く。結局自分のお財布から出て行くお金は変わらないのに、こういうかんじで代金を支払って飲んでいると、「奢り奢られ」の関係ができてうれしく感じる。こういう飲み仲間を見つければ案外イギリス社会に溶け込む突破口になるのかも。

アイリッシュやブリティッシュ系の「パブ」はもちろんカナダにもたくさんある。違うのは創業年数とビールの種類と立ち飲みしている人が少ないことかな。カナダは土地は広大だからな。イギリスのパブは創業三百年なんてところもある。

ロンドンのパブのラストコールの鐘が「カーン!」と鳴り響くのにも慣れた。あれが聞こえると、もう一杯注文しにいく。基本的にはこの最後の一杯を飲み干すまでは店は客を追い出さない。途中で音楽が止み、掃除が始まっても、飲んでいていいし、ようやく最後の最後になって「あと10分で閉めるから」と言いに来るところが多い。

イギリスのビールはFuller’sなどの大会社のビールしか知らなかったけど、地ビール専門のパブも探せば結構ある。北米だとものすごく強いIPAが流行っていて多いけど、ああいうものは少ない。どちらかというと喉ゴシがソフトなものが多いような気がする。

店によって「ジョージアン・パブ」だとか「ビクトリアン・パブ」とか書いてあるんだけど違いがよくわからない。人に聞いたら、建築スタイルの違いじゃない?と言っていた。その人もわからないらしいけど。ジョージアン・スタイルなら入口が四角く、ビクトリアン・パブなら入口がアーチ型だとか…

ホントかな。

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