ルポ 電子書籍大国アメリカ

日本の電子書籍についていろいろと考えさせられる事件が去年あったので、友達に教えてもらった在米のリテラリー・エージェントの大原ケイさんのブログや著作を読んでいた。

これは2012年に出ている本だから、それ以前の電子書籍の話だけど、日米の出版業界の比較が面白い。出版業界のことなんて私は何も知らないのに、その日米比較に「あるある!」と思ってしまうのは、その業界に限った話ではないからだよね。なんだろう、日本を愛しつつも、海外で暮らしているがために、あれ?と浮き彫りにされ気づいてしまう摩訶不思議ジャパン。「電子書籍」に対するアマゾンとグーグルの立脚点の違いも面白い。サバサバした文章で、歯に衣着せぬ鋭い批判に納得するところが多くて、読んでいて痛快。… というより、私もアメリカ・カナダで暮らしているから、日本の電子書籍を取り巻く状況がどうなっているのか分からなかったので、これを読んで学習した感じ。

実は電子書籍に対する消費税について大原さんにツイッターで不躾に質問してしまったんだけど、後で「失礼だったな」と反省して、この本を読むことにした。そしたら、やはり消費税のことについてちゃんと触れてあった。別に結論が書かれているわけではない。アメリカだと消費税(売上税)州ごとに違うし、電子書籍は課税か非課税かすらも違うという複雑な事情がある。別に電子書籍に限った話ではない。私は消費税を払うことなく、アメリカのサイトから毛糸など諸々のものを買っている。日本だとアマゾンで買う場合は消費税がかからないということで、日本の書店が不公平だと怒りをあらわにしているという記事を読んだ。でも私が日本のアマゾン以外のオンライン書店から本を買うときは日本の消費税を払っている(内税になっている)。

一番面白かったのはアメリカ出版業界の裏話かな。アメリカらしくて笑えた。

私のような素人が、別にここまで電子書籍について入り込む必要はないといえばないけど、日本の某オンライン書店とのバトル以来、私には気になる話。出版業界目指す人にはいい本ね。

これをiPADで読んだけど、やっぱり長時間iPADで読むのはキツイ。画面がギラギラしてるから。今急ぎで別の電子書籍をEインクの白黒版で読んでいるけど、目の疲れ方が全然違う。Eインクのほうが断然目にやさしい。

って前にも書いたか。

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