青春忘れもの

この池波正太郎のエッセイは本当によかった。

彼が吉原で童貞を失った日に、「赤飯と蛤の吸い物」で遊郭の人たちに「おめでとう」と祝ってもらい、出兵の際には彼の母親が「息子がいろいろお世話になりました」と遊郭に挨拶に行った話は、下町の懐の深さを知るようないい話だった。

「まだまだ早い」とか「おめえさんも、そろそろだな」とか親以外の周囲の大人が時を見計らってくれるのにも、ちょっと感動。大人の「大人な」介入。「老婆心」なるものが最近芽生えてきた私もしゃらくさいことは言わない大人を目指そう。

Leave a comment