風立ちぬ・美しい村

水村美苗がどこかで「堀辰雄の『美しい村』のような舞台で小説を書きたいと思った」というようなことを言っていたような記憶があって、前回日本帰国の折に本屋で買ってきた。宮崎駿の「風立ちぬ」のおかげで簡単に手に入った。話の内容はもちろんかなり違うけど。

新緑に卯の花のような話であった(カバーデザインがまさにそれを言い当てている)。特権階級的な香りが風に乗って八ヶ岳の山麓を吹き抜けるような話であった。アメリカのお笑いシーン的に言うと「ホワイトピープルズ プロブレム」であった。嗚呼八ヶ岳に行きたい。

米原万理の「ロシアは今日も荒れ模様」も読んだけど、これはゴルバチョフ&エリツィン時代の権力闘争こぼれ話なので、今更20年前のロシアの政治について読んでもな… だった。唯一「反アルコール・キャンペーン」については、数年前にも「ロシアの若者がビールをジュースのような感覚でがぶ飲みするが、あれにはアルコールが入っているから注意を喚起している」というニュースをラジオで聞いたことがある。

最近ちょっと昔の本ばかり読んでいる。新しい人の本を読もうかなと思うけど、ちょっと昔の本のほうがビンテージものの探索に似てなんか面白い。

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