今、気になる人は藤原正彦。
フェイスブックで理系に進んだ友人たちから、藤原正彦をはじめ、彼の家族の著作を色々と薦めてもらった。そして別の友人からこれを借りた。
これには、ベストセラーになった「国家の品格」への習作ともいえるエッセイが収録されていて、これまでに読んだ「日本人の誇り」とか「祖国とは母国語」と同様、「祖国愛」がここでも盛んに言われていた。
立て続けに藤原本を読んだので、何かが私の心に刷り込まれてたのかもしれないけど、ディズニーの「魔法にかけられて」(Enchanted)のことを急に思い出し、また観た。藤原さんの言っている祖国愛は、この映画の「真実の愛」と似ているような気がする。お互いのことを知るためにデートを重ね、理解を深め、思考を巡らし、理屈をこねて、品定めをし… という用心深いプロセスがまかりとおる世界では、真実の愛はちょっとこっぱずかしい。でも真実の愛を求めている人は実は多い。
藤原さんのいう「祖国愛」議論の一部だけど、なんでも経済中心に考えるのは間違っている、と彼は息巻いている(特に教育の分野で)。私もそれには同意する。
でもそこまでかも、同意できるのは。
それ以外のエッセイはやっぱり面白かった。

