ロシア民話を伝えるマトリョーシカ

マトリョーシカを収集し始めて4年。可愛いだけでなく、いろんな役目を担っているマトリョーシカが存在することを知るようになりました。その役目の1つが民話を伝えること。話の要所が人形の腹部に絵として描かれているのです。宗教的な話、神話っぽいもの、いろいろありますが、私には民話ものが可愛く映ります。

今回日本語では「おだんごパン」と呼ばれる民話のものを見つけました。ロシア語では「Kolobock」という名前の話です。最後は狡賢さではおだんごパンを上回るキツネにやられてしまうという怖い話ですが、パンなのだから食べられて当たり前。パンの分際で旅に出たり歌を歌うことのほうが身の程知らずです。そういう意味では「己を知れ」というメッセージが込められた説教臭いストーリーなのに、マトリョーシカによりここまで愛らしさが昇華してしまったのですね(勝手な憶測)。

私がこれを買おうとしていると、店先でロシア人二人が「パン」と呼ばれる物体が英語で「Bun」なのか「pancake」なのか揉め始めました。オーブンから焼き立てのパンが森へ転がっていくのだからパンケーキではペタンコすぎるということで「Bun」に落ち着きました。二人が揉めている間、私は他にもいいものはないかと血眼になってブースを探していましたが。でも日本語だと「おだんごパン」?団子はオーブンでは焼かないけどな。

今回購入した「おだんごパン」マトリョーシカは、民話部分の絵のセンスが私の許容範囲ギリギリ。私は完成度の高いものも好きですが、こういう「どうしちゃったのかな…」というものも好きで、迷うことなく私のマトリョーシカの森にお入りになられました。

ところで、マトリョーシカは明治時代に日本からロシアに持ち出された箱根の入れ子細工が元になっているそうです。前々から日本のネットや雑誌で知ってはいましたが、眉唾だな…と思っていたところ、バアさんともう一人のロシア人が「日本のダルマが元だ」と言うのでロシア人が言うなら本当かなと信じることにしました。信じるも何もいろんな方がそう書いているので真実なのですが。しかしバアさんは「ダルマ」だと言っていて、どこから聞いたのか「必勝祈願ダルマ」のように片目だけ瞳を描いたマトリョーシカを作ってみようかな、とワイルドに想像を膨らましていました。私はそんなものは買いませんよ、とは伝えておきましたが。

テイラー・スウィフト似




しかし箱根… 今回の旅先のひとつでもあります。見にいきたいな。

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