去年One of a Kindに行った時、ショーの終盤に行ったのでマトリョーシカばあさんに「いいものはもう売れてしまった」と言われたのですが、実はバアさんがいいと思っているものと私の好みはかなり違います。申し訳ないと思ったのか「好きなのを作ってあげるから」と言われ、注文して作ってもらったのがこちら。
「出来上がったら郵送する」という話だったのですが、いつまでたっても郵送されてこず、あれはなかったことだったのか… と諦めていました。一年経ち、今年のOne of a Kindに行くと、すぐにバアさんが「これこれ!」と注文していたマトリョーシカを出してきました。
私が選んだ色、髪型、てんとう虫が付いていて、まつげエクステンション&ブルーのアイシャドウ、ぽってりした唇にリップグロスが濃いお姉さんです。唇も半開きとセクシー。大満足ですが、私は「てんとう虫を気持ち悪いぐらいにたくさんくっつけて欲しい」と頼んだのに、それは却下されたか忘れられたようです。その代わりに黄金の蝶がくっつけてありました。それが彼女のテイストなのでしょうか。しばらく眺めていると、かなりギャル度というか女子力の高いマトリョーシカになっている… とババアのセンスに驚かされました(セクシーさに加えてバランス悪そうなゴールドの蝶のシールをあしらうという荒業が、これはギャルだと思うことでまとまって見える)。
ババアは見た目には地味ですが、いろいろ話をしてみると結構下世話な話に乗ってきます。クラフトをやっている人の中には「真心こめて」とか「羊に思いを馳せて」とかメルヘンチックな心で作っている人もいるかもしれませんが(ま、手芸雑誌の戯言に過ぎないのかもしれない)、私はそういうのはちょっと苦手。というのも、そういうのと作品の完成度の高さは別だと思っているから邪魔に感じてしまうのです。だいたい、恋心を寄せている人や、家族・友人など、好みがある程度わかっている人にものを作る場合には「きっと喜ぶに違いない」と心はこめられますが、クラフトショーで不特定多数の人へのものづくりに「真心をこめて」いるほうが気持ち悪くて胡散臭いと私は思います。むしろ「突っ走っている」タイプの人たちの作品のほうを見ているほうが楽しい。
マトリョーシカばあさんの突っ走り方は、ちょっとブログでは書けないんですけど、作品がバカ売れしてマトリョーシカ御殿を建てるぐらいになったとしても、彼女はマトリョーシカに絵付けしてるだろうな、というところと、ロシアからカナダに移民しているので「ロシアへの望郷の念」に駆られ「ロシアのいいところ見せたい!」という気持ちを持っているところでしょうか。






